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医学博士 大西睦子 食・医療・健康のナゾ

デジタル端末、子どもの発育・教育に良い悪い?

米国小児科学会の最新ガイドライン

 大西睦子

【2】2~5歳は1日1時間まで

 過去のさまざまな疫学研究によれば、幼児がテレビを見すぎた場合、言語や社会的・感情的な遅延が生じるといいます。原因として、子どもがテレビを見すぎることで、家族間のコミュニケーションなどが減ってしまうことが考えられます。逆に家族関係がうまくいっていない家庭ではデジタルメディア使用率が高いことも指摘されていますし、デジタル端末使用率が高い子どもは気質が激しく自己抑制力が低い傾向があることも研究によって示されています。また2歳から5歳という幼児期に行う実体験を伴う身体活動は健康や発育に良い影響をおよぼし、将来の肥満のリスクが減るともいいます。

 チャシアコス教授は「よちよち歩きの子どもたちは、広告やアニメを見てその内容を理解するための認知能力が十分ではありません。現実世界の人々と、漫画や画面の中の架空の人物の違いが分からないのです」

 米国小児科学会のガイドラインでは、両親が子どものアンプラグド(電源を使用しない)なクリエーティブな遊びの時間を優先するように勧めています。つまり、安易にデジタルメディアを使うのではなく、五感を活用した遊びの時間が重要なのです。また、デジタルメディアの使用は1日1時間までとし、使用する際は子どもだけで見せたりせず(子守りさせたりせず)、一緒に見て学んだことを実生活に活用するように勧めています。そして子どもを過剰に刺激する広告を含まない『セサミストリート』のような教育番組を質の良い番組の例として挙げています。

 ただしSkypeやFaceTimeなどを利用した、視線が合わせられる対話型メディアは、子どもの健全な発育を促進するとしています。例えばおばあちゃんとSkypeで話をしたあと、親御さんがおばあちゃんの言ったことを繰り返すことによって、子どもたちの学習を補えるというのです。ただし、そうした環境がなくても親が子どものテクノロジー開始時期の遅れを気にする必要はないともしています。

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