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医学博士 大西睦子のそれって本当? 食・医療・健康のナゾ

スムージーってヘルシー? それとも不健康?

アイスやチョコを含む不健康なスムージーには要注意

 大西睦子

スムージーのもう1つの効果

 ところでヘルシーなスムージーには、もう1つのメリットがあります。それは、5大栄養素、つまり炭水化物、たんぱく質、脂質、そしてビタミン、ミネラルに加え、近年注目されている、「フィトケミカル」の効果です。

 フィトケミカルは、植物性食品の色素や香り、苦味、辛味などの成分で、ギリシャ語で「植物」を表す「フィト」と英語の「化学」を表す「ケミカル」を組み合わせた言葉です。現在までに1000以上のフィトケミカルが知られており、まだまだ未知のフィトケミカルが数多くあると考えられています。フィトケミカルが足りなくても5大栄養素のように欠乏症にはならないものの、抗酸化作用、抗がん作用、抗炎症作用や免疫増強作用など多くの機能があることから注目され研究が進んでいます。

 以下、米がん研究協会(American Institute for Cancer Research)のウェブサイトの表のまとめましたので、以下参照にしてください。ここに示されているフィトケミカルは、とくにその効果が科学者たちに注目されているものです。

フィトケミカル(植物化学物質/米がん研究協会ウェブサイトより)
種類 含まれる野菜・果物 期待できる効果(可能性)
カロテノイド(β-カロテン、リコピン、ルテイン、ゼアキサンチンなど) ブロッコリー、ニンジン、加熱したトマト、葉物野菜、サツマイモ、カボチャ、アプリコット、メロン、オレンジやスイカなど、赤やオレンジ、緑の果物や野菜 がん細胞成長阻害、抗酸化作用、免疫応答の向上
フラボノイド(アントシアニンやケルセチンなど) リンゴ、柑橘類、タマネギ、大豆や大豆製品(豆腐、豆乳、枝豆など)、コーヒー、紅茶 抗炎症効果、腫瘍増大阻害、免疫補助、体内の解毒酵素の産生向上
インドールおよびグルコシノレート(スルフォラファン) アブラナ科の野菜(ブロッコリー、キャベツ、ケール、カリフラワー、芽キャベツなど) 発がん物質の解毒誘導、がん関連ホルモン産生抑制、発癌物質の阻止、腫瘍増大阻止
イノシトール(フィチン酸) トウモロコシからふすま、オート麦、米、ライ麦、小麦、ナッツ、大豆や大豆製品(豆腐、豆乳、枝豆など) 酸化防止作用、細胞成長鈍化
イソフラボン(ダイゼインおよびゲニステイン) 大豆や大豆製品(豆腐、豆乳、枝豆など) 腫瘍増大阻害、がん関連ホルモン産生抑制、抗酸化作用
イソチオシアネート アブラナ科の野菜(ブロッコリー、キャベツ、ケール、カリフラワー、芽キャベツなど) 腫瘍増大阻止、発がん物質の解毒誘導、抗酸化作用
ポリフェノール(エラグ酸、レスベラトロールなど) 緑茶、ブドウ、ワイン、柑橘類、リンゴ、ベリー類、全粒穀物、ピーナッツ がん形成阻止、抗炎症作用、抗酸化作用
テルペン(ペリリルアルコール、リモネン、カルノソールなど) サクランボ、柑橘類の皮、ローズマリー 細胞をがん化から守る、がん細胞の成長鈍化、免疫機能強化、がん関連ホルモン産生抑制、抗ウイルス作用、抗酸化作用

■参考文献
American Institute for Cancer Research「Phytochemicals: The Cancer Fighters in the Foods We Eat


 健康的なスムージーを作るなら、新鮮な果物や野菜を使うことです。色とりどりの、ヘルシーなスムージーを楽しんでくださいね!

大西睦子(おおにし むつこ)
医学博士
大西睦子(おおにし むつこ) 東京女子医科大学卒業後、同血液内科入局。国立がんセンター、東京大学医学部附属病院血液・腫瘍内科にて、造血幹細胞移植の臨床研究に従事。2007年4月より、ボストンのダナ・ファーバー癌研究所に留学し、ライフスタイルや食生活と病気の発生を疫学的に研究。2008年4月より、ハーバード大学にて、食事や遺伝子と病気に関する基礎研究に従事。著書に『カロリーゼロにだまされるな――本当は怖い人工甘味料の裏側』(ダイヤモンド社)。
日経トレンディネット2014年8月8日付け記事からの転載です。

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