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医学博士 大西睦子 食・医療・健康のナゾ

米国人に学ぶ、新生活を始めるときに気を付ける5つのポイント

第一印象に気をつけ、睡眠、朝食、気分転換を大切に!

 大西睦子

【4】ランチはみんなで食べる

 ランチの時間は、なるべく同僚と一緒に過ごしましょう。仲間と円滑な交流関係を築いたり、会社や学校の文化を理解するための助けになります。米国人は、仕事が終わった後に、職場の同僚と飲みにいくことは少ないです。特に家族がいる人は、家族と夕食をするために帰宅します。ですので、ランチは大切な社交の時間になります。

【5】私生活で心と体のバランスをとる

 趣味や習慣は続けてください。運動が好きな人は、仕事や勉強が終わった後や週末に、是非体を動かして下さい。忙しくて運動できないという人は、通勤や休憩時間に歩いたり、階段の上り下りをしましょう。

 面白い研究があります。エジンバラ大学の研究者らは、木々の生い茂った公園のような、自然の緑地を散歩することによって、ストレスからくる心の疲れが癒やされるようだという報告をしました

■参考文献
US National Library of Medicine National Institutes of Health「The urban brain: analysing outdoor physical activity with mobile EEG.

 研究では、健康なエジンバラ大学の学生12人の頭皮に、「Emotiv EPOC」という低コストのモバイル脳波記録計を取り付けました。そして、環境の大きく違う3つのゾーンを約25分ずつ散歩してもらい、それぞれの脳波の動きを記録しました。3つのゾーンはほぼ同じ距離で、ゾーン1は歩行者の多い歴史あるショッピング街で交通渋滞は軽度、ゾーン2は緑に囲まれた空間、ゾーン3はコンクリートのビル街で交通渋滞も多い賑やかな商業地区です。

 12人の学生はどのゾーンも同じように、急ぎすぎず遅すぎない、自分のスピードで歩くように指示されました。モバイル脳波計は、 学生たちのリュックサックに入ったコンピューターに脳波のパターンを送信します。脳波は、短期の興奮、欲求不満、注意深さ、覚醒、瞑想という5つに識別され、連続的に記録されました。

 その結果、学生たちが緑の空間(ゾーン2)を歩いたときの脳波は、都市部(ゾーン3)を歩いたときと反対のパターンを示しました。緑の空間では、欲求不満、注意深さや興奮が抑えられて、集中力がより高まりました。さらに緑の空間(ゾーン2)から賑やかな商業地区(ゾーン3)に移動すると、今度は欲求不満、緊張や興奮が高まったのです。特に、交通量の多い商業地区を通ったとき、参加者の脳波は一貫して注意深さと欲求不満、覚醒のパターンを強めました。

 以上から研究者らは、自然の公園などの緑地が脳の疲労を減らすと結論づけました。

 慣れない環境での新生活では、ストレスや疲れを感じても不思議ではありません。そんなとき、ちょっと気分転換に、緑の中を歩いてみて下さい。悩んでいたことも小さく感じて、気持ちがリフレッシュできますよ! 週末は、仕事を忘れて、友人、パートナーや家族と楽しく過ごしてくださいね。気分転換は、効率良く仕事や勉強に励むために大切です

大西睦子(おおにし むつこ)
医学博士
大西睦子(おおにし むつこ) 東京女子医科大学卒業後、同血液内科入局。国立がんセンター、東京大学医学部附属病院血液・腫瘍内科にて、造血幹細胞移植の臨床研究に従事。2007年4月より、ボストンのダナ・ファーバー癌研究所に留学し、ライフスタイルや食生活と病気の発生を疫学的に研究。2008年4月より、ハーバード大学にて、食事や遺伝子と病気に関する基礎研究に従事。著書に『カロリーゼロにだまされるな――本当は怖い人工甘味料の裏側』(ダイヤモンド社)。
日経トレンディネット2016年4月6日付け記事からの転載です。

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