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医学博士 大西睦子のそれって本当? 食・医療・健康のナゾ

男と女、実はどちらがナルシストなのか?

ナルシシズムは人格障害? リーダーシップにつながる良い影響も

 大西睦子

ナルシシズムが男女の格差まで生んでいた!?

 2013年には、米国では、女性が管理職の約半分(51%)を占めています。ところが、指導者の立場においては男女の格差を認めます。米国の大企業をランク付けしたフォーチュン500(Fortune 500)では、取締役17%、CEO15%、トップ所得者8%のみが女性でした。

 これまでの研究によれば、ナルシシズムのような性質の違いは、男女の固定観念、長い間深く根付いてきた周囲からの期待から生じている可能性があります。研究者らは、リーダーシップの役割における根強い女性不足は、固定観念における女性らしさとリーダーシップの間の格差に由来するのではないかと推測しています。

 グリハルバ教授は前出のインタビューで、次の点についても言及しました。

 「人間はそれぞれ幼いころから、男女の役割を観察しながら学んでいくものですが、社会が期待する男女の役割から逸脱すると、反発に直面することがあります。特に女性は男性より、積極的だったり影響力を持つ存在になると、厳しい批判を受けることが多く、それが原因で男性に比べて、ナルシスト的なふるまいを控えるようになるのです」

 またグリハルバ教授は、「ガーディアン」紙に、結論づけてもいます。

 「1960年代、1970年代を通じて、女性はプロとして目標を持つようになり、社会的役割が変化してきました。しかしナルシシズムの大規模な研究は、1980年代まで行われてこなかったため、過去30年間での女性のナルシシズムの変化についての分析はできていません。今後、男女の固定観念が減少した場合は、女性は現在よりナルシシズムの高い行動を示すようになっていくでしょう。そうなると今後30年で、女性幹部が増えていく可能性があります」

変わりつつある米国企業

 本当に女性幹部が増えるのかどうか。それは今後の見ものですが、実は米国大手メディア「Fortune」が選んだトップ1000社において、2002年から2014年の間、女性のCEOを擁する80社の株主資本利益率は226%で、S&P500(米国の代表的株価指数)よりも良い業績が報告されています。

 では女性リーダーを増やすためには、女性に男性のようにナルシシズムを強めてもらうことが重要なのかというと、私はそうは思いません。まず女性を受け入れて信頼し、CEOや管理職になる機会を、男性と同じように与えることが重要なのです。そうなれば、「Fortune」の80社のように、本来の女性の個性を生かして、よい結果が生まれるでしょう。

大西睦子(おおにし むつこ)
医学博士
大西睦子(おおにし むつこ) 東京女子医科大学卒業後、同血液内科入局。国立がんセンター、東京大学医学部附属病院血液・腫瘍内科にて、造血幹細胞移植の臨床研究に従事。2007年4月より、ボストンのダナ・ファーバー癌研究所に留学し、ライフスタイルや食生活と病気の発生を疫学的に研究。2008年4月より、ハーバード大学にて、食事や遺伝子と病気に関する基礎研究に従事。著書に『カロリーゼロにだまされるな――本当は怖い人工甘味料の裏側』(ダイヤモンド社)。
日経トレンディネット2015年3月27日付け記事からの転載です。

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