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医学博士 大西睦子のそれって本当? 食・医療・健康のナゾ

男と女、実はどちらがナルシストなのか?

ナルシシズムは人格障害? リーダーシップにつながる良い影響も

 大西睦子

 食、医療など“健康”にまつわる情報は日々更新され、あふれています。この連載では、現在米国ボストン在住の大西睦子氏が、ハーバード大学における食事や遺伝子と病気に関する基礎研究の経験、論文や米国での状況などを交えながら、健康や医療に関するさまざまな疑問や話題を、グローバルな視点で解説していきます。
 女性より男性にナルシストが多いという話は、どこか納得できる点があるのではないでしょうか? でもそれが、男女の格差につながっているとしたら? 今回はナルシシズムがテーマです。

フロイト博士の“女性の方がナルシシズムが強い”説は過去の話

 ナルシシズム(自己愛)を呈する人を「ナルシスト」と呼びますが、男女のどちらにその傾向が強いのでしょうか?

 精神分析学の創始者ジークムント・フロイト博士は、身体的な美しさに夢中になる女性は、男性よりもナルシシズムが強いと信じていました。ところがその後の研究で、フロイト博士の主張と反対のパターン、つまり男性のほうが女性より強いナルシシズムを示すことや、性差はほとんどないという報告がされました。また、生涯における自己愛性人格障害(Narcissistic Personality Disorder)の有病率は、男性7.7%、女性4.8%という報告もあり、男性のほうが女性より、ナルシシズムが強いとされたりしましたが、結論は明瞭ではありませんでした。

 しかし2015年3月、ニューヨーク州立大学バッファロー校(University at Buffalo)の研究者らが、男性は平均して女性より強いナルシシズムを示す傾向があるというメタ解析の結果を報告し、話題になっています。

 研究者らは「ナルシシズム」「ナルシスト」「自己陶酔」「男女」「性別」「男性」「女性」というキーワードを用いて、8つのデータベースからこれまでの論文報告など絞り込みました。そこからさらにナルシシズムを調査した研究、男女差を解析するのに十分な情報を持つ研究かどうかなどの条件を加え、最終的に過去30年におよぶ、約47万5000人のデータを含む、355以上の報告をピックアップしました。

■参考文献
US National Library of Medicine National Institutes of Health「Gender differences in narcissism: A meta-analytic review.

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