日本経済新聞 関連サイト

ようこそ ゲスト様
日経Gooday TOP  > 医療・予防  > 医学博士 大西睦子のそれって本当? 食・医療・健康のナゾ  > “愛のホルモン”投与で痩せるって本当!?  > 2ページ目
印刷

医学博士 大西睦子のそれって本当? 食・医療・健康のナゾ

“愛のホルモン”投与で痩せるって本当!?

浮気を抑制する忠実な愛のホルモンの役割も

 大西睦子

抱きしめられるとオキシトシンが上昇する

 これまで動物実験では、オキシトシンが食物の摂取量を減少させることが確認されていましたが、今回の発表で人にも同様の結果が示されたことになります。

 今後はオキシトシンスプレーがカロリー摂取にどのように作用するか、女性にはどのように作用するかなども確認する必要があると、研究者らは述べています。

 現在、ノバルティス社のオキシトシン鼻スプレーは、ヨーロッパで認可されていますが、米国や日本では認可されていません。ただし、親子やパートナー同士、親しい友人同士などが、抱きしめ合うなど温かい身体的な接触をすると、オキシトシンのレベルが自然に上昇すると言われています。

■参考文献
National Institutes of Health (NIH) News in Health「The Power of Love─Hugs and Cuddles Have Long-Term Effects

オキシトシンは人間同士の結びつきを強める

 オキシトシンには、他にも重要な働きがあります。例えば、哺乳類には知らない相手を拒否する自己防衛本能がありますが、オキシトシンは他人への恐れを減らし、信頼や愛情を高めようとします。また最近ではオキシトシンが自閉症の改善に与える影響についても、注目されています。

 つまりオキシトシンは、親子、男女間や仲間など、人間同士の結びつきを強め、社会全体の活動がよりうまく機能するのに貢献していると考えられるのです。

オキシトシンの効果で浮気も増加!?

 ただし、オキシトシンを人工的に投与すると、人との結びつきを強く持ちたくなったりするのでは? つまり人間同士の接触が増えるということは、浮気が増える原因になるのではという懸念が出てきますよね。

 その答えの1つとして、ドイツのボン大学の研究者らの、非常に興味深い報告を見ていきましょう。

 私たちの日常生活では“社会的な関係性”によって、男女が一定の距離を保っています。親密な関係にある相手だけが、パーソナルスペースに入ることができます。それ以外の他人がパーソナルスペースに侵入すると、私たちは不快感を感じます。

 そこで研究者らは、オキシトシンが社会的な関係を促し、男女間の距離を近くするという仮説(要するに、男性が見知らぬ魅力的な女性と遭遇したとき、オキシトシンがその女性と危険な関係を持つように刺激するだろうという仮説)を立てて検証しました。

■参考文献
The Journal of Neuroscience「Oxytocin Modulates Social Distance between Males and Females

 驚いたことに、予想に反して結果は仮説と正反対だったのです。さて、何か起こったのでしょうか?

 被験者は計86人の異性愛者の成人男性で、2つの無作為プラセボ試験が実施されました。

RELATED ARTICLES関連する記事

医療・予防カテゴリの記事

カテゴリ記事をもっと見る

FEATURES of THEMEテーマ別特集

  • 加齢で進む胃の不調 機能性ディスペプシアと逆流性食道炎の原因と対策

    加齢により胃の機能が衰えると、さまざまな不調が起きる。ピロリ菌の除菌が進んで胃がんや胃潰瘍が減ってきた今、胃の病気の主役は、胃もたれや胃痛の症状を招く「機能性ディスペプシア」と、胸やけやげっぷが起きる「逆流性食道炎」の2つに移行しつつある。なぜ機能性ディスペプシアと逆流性食道炎は起きるのか、どのような治療が必要なのか、セルフケアで改善・予防できるのか。このテーマ別特集では、胃の不調の原因と、それを解消するための対策を一挙紹介していく。

  • 「中途覚醒が多く寝た気がしない」 中高年の睡眠の悩み解消術

    「睡眠の途中で何度も目を覚まし、眠った気がしない」「早朝に目覚めてしまい、その後なかなか寝付けない」――。歳をとるにつれ、そんな「中途覚醒」「早朝覚醒」に悩まされるようになったという人も多いだろう。なぜ中途覚醒は起きるのか。中途覚醒を解消して、若い頃のような「熟睡」を手に入れることはできるのか。このテーマ別特集では、中途覚醒の原因と、それを解消するための対策を一挙紹介していく。

  • 強い足腰を維持するための「骨」の強化法

    健康長寿の大敵となる「骨の脆弱化」を予防するには、若いうちから「骨を強くする生活習慣」を取り入れていくことが大切だ。このテーマ別特集では、骨が弱くなるメカニズムや危険因子、骨を強く保つための生活習慣のポイントなどについて解説していく。

テーマ別特集をもっと見る

スポーツ・エクササイズSPORTS

記事一覧をもっと見る

ダイエット・食生活DIETARY HABITS

記事一覧をもっと見る

からだケアBODY CARE

記事一覧をもっと見る

医療・予防MEDICAL CARE

記事一覧をもっと見る

「日経Goodayマイドクター会員(有料)」に会員登録すると...

  • 1オリジナルの鍵つき記事鍵つき記事がすべて読める!
  • 2医療専門家に電話相談できる!(24時間365日)
  • 3信頼できる名医の受診をサポート!※連続して180日以上ご利用の方限定

お知らせINFORMATION

日経Gooday新型コロナ特設

SNS

日経グッデイをフォローして、
最新情報をチェック!

RSS

人気記事ランキングRANKING

  • 現在
  • 週間
  • 月間

NIKKEICopyright © 2021 Nikkei Inc. All rights reserved.