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医学博士 大西睦子のそれって本当? 食・医療・健康のナゾ

摂食障害や身体的コンプレックスは家族そろっての食事で減る

経済力の差により家族での食事の頻度が異なる

 大西睦子

家族との食事の頻度:年齢、地理的、文化的背景で異なる

 1日のうち、家族とともに食事をする頻度は32.9%から60.6%までと、報告によってさまざまな結果が出ていました。このばらつきは、年齢の違いなどいろんな要因が影響しているものと考えられます。実際に3つの研究論文では、思春期から成人になるにつれて家族との食事の頻度が減少していると報告されていました。

 同様に、地理的条件、文化的背景などの要因も、結果に影響があるとされています。例えば、米国(45%)や英国(32.9%)の若者に比べて、スペイン(78%)の若者は一般的に、家族とともにより多く食事をしているという結果が出ています。

摂食障害:女性は家族との食事の頻度が重要

 14本の研究論文のうち9本で、家族との食事の頻度と、極端な減量(ダイエット薬の内服、おう吐、下剤や利尿剤の使用)、その他の減量(断食、少食、代替食品を使用、食事を抜く、体重コントロールのための喫煙)、過食症や慢性のダイエットを含む摂食行動障害との関係を調査していました。一般的には家族との食事の頻度が増えると、摂食障害や減量行動が減少するという結果が出されており、特に女性にその傾向が強い可能性があると推測されていました。ただし男性の場合、家族との食事の頻度と体重コントロールに関係性が認められませんでした。

アルコール、薬物の使用:女性と男性で結果に違い

 いくつかの研究論文で、家族との食事の頻度とタバコ(喫煙)、薬物、アルコール、違法薬物などの使用との関連性を調査していました。

 女性は家族との食事の頻度が増えると、タバコ、アルコール、およびマリファナの使用は減少しましたが、男性については報告によって結果が一致しませんでした。

暴力:

 2つの研究で、家族との食事の頻度が増えると、暴力が減るという報告があります。

身体イメージへの影響:コンプレックスが減る

 これも女性に関する研究でしたが、家族との食事の頻度が増えると、身体への不満、コンプレックスが減ると報告されていました。男性の場合、この関係を調べた報告はありませんでした。

学業:家族との食事で良い結果に

 ある研究では、家族と頻繁に食事をする人は、男女ともにより高い成績が上げられていると報告しています。また別の研究では、家族との食事の頻度と学習意欲の間に、同様の関連が見いだされました。

抑うつ症状、自殺願望:男女ともに減少

 研究の1つで、家族との頻繁な食事によって、男女とも抑うつ症状や自殺願望が減少すると報告しています。

経済格差が家族そろっての食事の頻度の差を生む

 以上をまとめると、家族との頻繁な食事は、若者の摂食行動障害、アルコールや薬物使用、暴力的な行為、抑うつの感情、自殺願望の削減に良い影響を与えていることになります。また男女差が大きく、特に女性によりポジティブな結果があるということを示しています。

 そして今の時代、子どもや若者、彼らを育てる両親が忙しいことが、家族そろって食事をするのが難しい一般的な理由だと著者らは考察しています。さらに社会・経済的格差も、家族との食事の頻度に影響しています。1999年から2010年の間、社会・経済的地位が低い層の家族はそろって食事をする頻度が減っており、中間から上の層の家族はその頻度が増えているのです。

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