日本経済新聞 関連サイト

ようこそ ゲスト様

日経 Gooday

ホーム  > 医療・予防  > 医学博士 大西睦子のそれって本当? 食・医療・健康のナゾ  > スマホの使いすぎで肩、肘、指、目、睡眠に異変?  > 2ページ
印刷

医学博士 大西睦子のそれって本当? 食・医療・健康のナゾ

スマホの使いすぎで肩、肘、指、目、睡眠に異変?

近視にも老眼にも悪影響

 大西睦子

症状その1「テキストネック」:肩こり、首が疲れる

 スマホを使うときは、どうしてもうつむきがちです。これは「テキストネック(Text Neck)」とも呼ばれる姿勢で、背骨に過度の負荷をかけるため、首の疲れや痛み、肩こりや頭痛などさまざまな症状を引き起こします

 ニューヨーク脊椎外科&リハビリテーション医学のケニス・ハンスラ医師の報告によると、大人の頭の重さは中立位置で10~12ポンド(4.5~5.4kg)です。ところが、頭が前方に15度傾くと、27ポンド(12kg)、30度で40ポンド(18kg)、45度で49ポンド(22kg)、60度で60ポンド(27kg)も増加。うつむく角度が深くなるにつれて、頭を支える頸椎(首の骨)へのストレスが高まるのです。

 頸椎は、もともと生理的に少し前に湾曲していますが、ストレスによって湾曲を失います。さらに、このような状態が長く続くと、骨と骨の間にある軟骨でクッションの役割を果たす椎間板に、変性が起こる可能性があります。

 平均的な人で、1日2~4時間もうつむきの姿勢でスマホを使っています。となると1年間では700~1400時間も頸椎に過度のストレスをかけていることになるのです。スマホ保有率が高く、使用時間が長いとされる高校生の場合、1年間でプラス約5000時間も悪い姿勢で過ごしている可能性があるといいます。

■参考文献
US National Library of Medicine National Institutes of Health「Assessment of stresses in the cervical spine caused by posture and position of the head.

 なかなか大変だとは思いますが、スマホを使うときは目の高さに挙げてください。そうすればうつむかないで済むので、頸椎のストレスが減ります。

症状その2「テキストクロー」「携帯肘」:指が痛い、しびれる

 「テキストクロー(Text Claw)」は、正式な診断に使用される医学用語ではありませんが、スマホでテキスト入力をしていたり、ゲームをしているときに「claw=かぎづめ状」に曲がった指が痛んだり、けいれんが起きたりする症状のことです。ときには腱鞘炎や手根管症候群を引き起こしたり、症状が悪化する可能性もあります。手根管症候群は手の正中神経(親指から薬指の親指側半分を支配している神経)が、手首にある手根管というトンネル内で圧迫され、小指以外の指にしびれや痛みが起き、場合によっては握力ががっくり落ちることもあります。

 メールでの連絡は便利なのですが、依存しすぎは手指にも悪影響があるということ。電話や直接会って話す機会も活用したほうが良さそうです。

 また、「携帯肘(Cell Phone Elbow)」は長時間腕を曲げた結果、小指や薬指にしびれ、うずきや痛みを感じることを示します。医学雑誌「クリーブランド・クリニック・ジャーナル・オブ・メディシン(Cleveland Clinic Journal of Medicine)」によると、携帯肘は、肘部管症候群を引き起こす可能性があります。肘部管症候群とは、肘で手の尺骨神経(薬指の小指側半分と小指を支配している神経)に圧迫やけん引などが加わって生じる障害をいいます。頻繁に携帯をもつ手を替えること、ハンズフリーのヘッドセットや、携帯ホルダーの利用が、携帯肘の予防になります。

■参考文献
Cleveland Clinic Journal of Medicine「What is cell phone elbow, and what should we tell our patients?

RELATED ARTICLES関連する記事

医療・予防カテゴリの記事

カテゴリ記事をもっと見る

FEATURES of THEMEテーマ別特集

  • 睡眠不足は肥満や生活習慣病のリスクを高める

    近年、睡眠不足が積み重なる「睡眠負債」の怖さが取り上げられるようになり、睡眠の大切さがクローズアップされている。実際、睡眠不足や質の低下が、疲れや集中力の低下につながることを実感したことがある人も多いだろう。しかし、問題はそれだけではない。睡眠不足や質が低下すると“太りやすくなる”。さらに、高血圧、糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病のリスクも高まることも分かっている。そこで本特集では、睡眠と生活習慣病の関係から、実践的な睡眠改善法までを一挙に紹介する。

  • 女性の「尿漏れ」「頻尿」には骨盤底筋トレーニングが効く!

    トイレに行く回数が多い、くしゃみをすると少し漏らしてしまう、突然尿意に襲われて我慢できない…。女性の尿の悩みは、「頻尿」や「尿漏れ(尿失禁)」が多いのが特徴だ。これらを改善するにはどうすればいいのだろうか?

  • 男性も無関係ではない骨粗鬆症、飲酒・喫煙・高血糖はリスク

    骨がスカスカになってもろくなり、骨折の危険性が増すのが「骨粗鬆症」だ。急速な高齢化に伴って患者数が増えており、日本骨粗鬆症学会などによると、日本における患者数は現在1300万人と推定されている。骨粗鬆症というと女性のイメージがあるが、男性の患者数は300万人と見られている。本特集では、骨粗鬆症が起きる仕組みから、気をつけたい生活習慣、そして骨を強くするための対策までを一挙に紹介する。

テーマ別特集をもっと見る

スポーツ・エクササイズSPORTS

記事一覧をもっと見る

ダイエット・食生活DIETARY HABITS

記事一覧をもっと見る

からだケアBODY CARE

記事一覧をもっと見る

医療・予防MEDICAL CARE

記事一覧をもっと見る

「日経Goodayマイドクター会員(有料)」に会員登録すると...

  • 1オリジナルの鍵つき記事鍵つき記事がすべて読める!
  • 2医療専門家に電話相談できる!(24時間365日)
  • 3信頼できる名医の受診をサポート!※連続して180日以上ご利用の方限定

お知らせINFORMATION

SNS

日経グッデイをフォローして、
最新情報をチェック!

RSS

人気記事ランキングRANKING

  • 現在
  • 週間
  • 月間

NIKKEICopyright © 2019 Nikkei Inc. All rights reserved.