ダイエットと運動、どっちから始めるのがいいの?
医学論文で考える自分改造計画
大西睦子
自分改造計画その2:ボディーイメージを高める!
そもそも自分を変えたい! と思うのは、今の自分に満足できない、自分がハッピーではないと感じるからでしょう。全く太っていないのに、「私は太っている、痩せたい、痩せれば幸せになれるのに」と思っていたり、他人から見たらとても魅力的なのに「私は年老いてみえる、若返りたい、そうすればみんなの注目を浴びるのに」と感じていたり。こうしたことを考えるのは、自己評価が低いことが原因です。
最近、米国のメディアや医学専門誌では、「ボディーイメージ」が問題になっています。ボディーイメージとは、心に写る自分の姿です。例えば、自分の外見に関して信じていること、身長体重や体型に関して感じること、自分の体の動きについて感じていること、他人にどう見られているか想像することなどです。
ボディーイメージには、ポジティブとネガティブなイメージがあります。ポジティブなボディーイメージを持つことは、自分の姿を正確に見つめて、自分自身の体を快適だと感じ、自分の見た目が良いと感じます。ただし、一般的にどんな人でも、目が小さい、顔が大きい、鼻の形が悪い、足が太い、胸が小さいなど、多少なりとも自分の外観について、何らかのネガティブなボディーイメージを抱き、悩みを感じているものです。
ところが、常にこのようなネガティブなボディーイメージを持つ場合は問題になります。例えば、ボディーイメージへの不満は、体型を変えることに執着し、極端なダイエットをするなど、不健康な習慣につながる可能性が高まります。これらの習慣では、自分の理想的な体型を達成できず、失望、羞恥心や罪悪感が高まり、摂食障害のリスクが増加します。
米国の国立摂食障害協会によると、ネガティブなボディーイメージを持つ人は、次のような傾向があります。
[2]自分以外の人間の体型は魅力的に感じるのに、自分のサイズや体型には魅力を感じられない
[3]他人の目を気にして、自分の体に対して羞恥心、不安や不快を感じる
このような人は、摂食障害を発症するリスクが高まり、うつ病、孤独感、低い自尊心に苦しむ可能性が増えます。
The National Eating Disorders Association (NEDA)「What is Body Image?」
それでは、ポジティブなボディーイメージを持つにはどうすればよいのでしょうか?
米心臓協会(American Heart Association:AHA)によると、 運動にはボディーイメージを改善する効果があります。さらに、運動はストレスを軽減し、緊張感から開放し、怒り、不安や抑うつをなくして、情熱や楽観主義を促す効果があるといいます。
運動をした直後、「心地良い」と感じたことはないでしょうか?
The American Heart Association「Physical activity improves quality of life」
運動でボディーイメージが改善すると、ありのままの自分の姿を受け入れて、自分のことを大切にできます。
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