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医学博士 大西睦子のそれって本当? 食・医療・健康のナゾ

成績アップから問題行動抑止まで、「いっしょに夕食を食べること」がもたらすメリット

日本では「父親とほぼ毎日食べる」幼児はわずか34.6%

 大西睦子

【2】家族との食事は、子どもをいじめから守る

 マギル大学(McGill University)の研究者らの報告によると、過去1年以内に、若者の5人に1人は、ネットでのいじめを経験しています。ネットでのいじめは、伝統的ないじめと同様に、若者のメンタルヘルスの問題や薬物使用のリスクを高めます。

 研究者らは、12~18歳までの1万8834人の生徒を対象に、5つの内在化問題(不安、うつ病、自傷、自殺念慮や自殺企図)、2つの外在化問題(論争や暴力)、4つの物質使用の問題(頻繁なアルコール使用、頻繁な暴飲暴食、処方薬の不正使用や薬物乱用)という合計11の問題について、調べました。その結果、ネットでのいじめはすべての問題に関与していることが分かりました。

 ただし定期的に、家族と夕食を共にする若者は、ネットいじめからの立ち直りが容易だということが分かったのです。

■参考文献
US National Library of Medicine National Institutes of Health「Cyberbullying victimization and mental health in adolescents and the moderating role of family dinners.

【3】家族との食事は、子どもの行動や感情をポジティブに

 定期的に家族そろって夕食をとることは、危険な行動を抑えるだけではなく、ポジティブな行動や感情を高めることにもつながるといいます。

 マギル大学の研究者らは別の論文で、家族と一緒に食事をすることで、若者の感情や行動上の問題が減り、他人を信頼し、役に立つ行動をすると報告しました。また家族の経済状況にかかわらず、生活の満足度が高くなりました。

■参考文献
US National Library of Medicine National Institutes of Health「Family dinners, communication, and mental health in Canadian adolescents.

【4】家族との食事は、成績を向上させる

 コロンビア大学嗜癖物質乱用国立センター(The National Center on Addiction and Substance Abuse at Columbia University:CASA)の研究者らの調査によると、家族との食事の頻度は、10代の若者の学業の成績にも影響するといいます。

 週5回以上、家族と夕食を共にする10代の若者に比べて、0~2回の10代の若者は、学校での成績が2倍以上低くなりました。週5回以上、家族と一緒に食事をした若者の成績のほとんどがA(最も高い評価)かBになる可能性が64%だったのに対し、0~2回の10代の若者は49%でした。一方、週5回以上、家族と一緒に食事をした若者は、C以下の評価になる可能性は9%でしたが、0~2回の10代の若者は20%に上りました。

 また、子どもの語彙は、朗読よりも夕食の会話で向上します。ハーバード大学教育学大学院(Harvard Graduate School of Education)の研究者らは、家族との夕食における会話で使用される、まれな単語(最も一般的な3000の単語のリストに登録されていない)の数を数えました。すると、子どもたちは夕食のときに、まれな1000の単語を学んでいました。一方、両親の朗読では、143の単語を学びました。たくさんの単語を知っている子どもは、より早く、より簡単に読むことができるようになります。

■参考文献
US National Library of Medicine National Institutes of Health「Mealtime talk that supports literacy development.

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