日本経済新聞 関連サイト

ようこそ ゲスト様
日経Gooday TOP  > 医療・予防  > 医学博士 大西睦子のそれって本当? 食・医療・健康のナゾ  > 加工食品は依存症になりやすい!?  > 4ページ目
印刷

医学博士 大西睦子のそれって本当? 食・医療・健康のナゾ

加工食品は依存症になりやすい!?

精製された砂糖や炭水化物、脂肪の配合が依存性の原因だった

 大西睦子

加工度の高い食品に、依存症の問題がある

 研究者らはさらに、この2つのテストの結果のより高い信頼性を得るために、Amazon Mechanical Turk(アマゾンメカニカルターク:アマゾンウェブサービスの1つ)というアンケート調査を使用して、398人以上の参加者(18歳から64歳、平均31.14歳、男性59.4%)に同様の質問をしました。

 35食品のリストで、どのくらい依存症の問題が起こるか(「1:全く問題なし」から「7:非常に問題」まで)を評価しました。その結果、やはり加工度の高い食品に、依存症の問題があることが分かったのです。

35食品中依存症が起こり得る食品ランキング
1 ピザ
2 チョコレート
3 ポテトチップス
4 クッキー
5 アイスクリーム
6 フレンチフライ
7 チーズバーガー
8 ソーダ
9 ケーキ
10 チーズ
11 ベーコン
12 フライドチキン
13 ロールパン(プレーン)
14 ポップコーン(バター)
15 朝食用シリアル
16 グミキャンディー
17 ステーキ
18 マフィン
19 ナッツ
20
21 鳥のささみ肉
22 プレッツェル
23 クラッカー(プレーン)
24
25 グラノーラバー
26 いちご
27 トウモロコシ(バターなしまたは無塩)
28 サーモン
29 バナナ
30 ブロッコリー
31 玄米(プレーン、ソースなし)
32 リンゴ
33 豆(ソースなし)
34 にんじん
35 キュウリ

 一般的に、依存性のある物質は、自然の状態の食品にはめったに存在しません。加工されると、依存性の可能性が高まります。例えばブドウはワインに加工され、ケシはアヘン(麻薬)に加工されることで、依存性が高まります。同様のプロセスが、加工食品で発生するのです。

 天然に存在する食品にも、糖分(例えば、果物)または脂肪(例えば、ナッツ)が含まれている食品はあります。注目すべきは、加工を加えていない自然の食品には、砂糖や精製された炭水化物と脂肪が、同時に含まれることはほとんどないということ。ところが加工食品の多く(例えばケーキやピザ、チョコレート)には、精製された砂糖や炭水化物、脂肪が、人工的に同時に配合されているのです。

 さて今回の報告から、食べ物依存症といっても、どんな食品に関しても発症するものではなく、加工度の高い食品が問題だということが示されました。

 ミシガン大学のニュースによれば、共著者のニコル・アベナ博士は

 「この研究は、依存症の引き金となる特定の食品や食品の性質を識別するための第一歩です。これが今後、肥満の治療に役立つかもしれないのです。もちろん、特定の食品の排除は、簡単なことではないでしょう。むしろ、喫煙や飲酒、薬物使用を抑える方法が適応できると思います」と話しています。

■参考文献
Michigan News(University of Michigan)「Highly processed foods linked to addictive eating

 日本でも肥満の割合は年々高くなってきています。依存性の観点からも、これからはつい手が伸びがちなスナックやファストフードを控え、なるべく自然な食品を摂るように心掛ける必要がありそうです。

大西睦子(おおにし むつこ)
医学博士
大西睦子(おおにし むつこ) 東京女子医科大学卒業後、同血液内科入局。国立がんセンター、東京大学医学部附属病院血液・腫瘍内科にて、造血幹細胞移植の臨床研究に従事。2007年4月より、ボストンのダナ・ファーバー癌研究所に留学し、ライフスタイルや食生活と病気の発生を疫学的に研究。2008年4月より、ハーバード大学にて、食事や遺伝子と病気に関する基礎研究に従事。著書に『カロリーゼロにだまされるな――本当は怖い人工甘味料の裏側』(ダイヤモンド社)。
日経トレンディネット2015年3月6日付け記事からの転載です。

先頭へ

前へ

4/4 page

RELATED ARTICLES関連する記事

医療・予防カテゴリの記事

カテゴリ記事をもっと見る

FEATURES of THEMEテーマ別特集

  • 脳を衰えさせる悪い習慣、活性化する良い習慣NEW

    「もの忘れがひどくなった」「単語がスッと出てこない」「集中力が落ちてきた」……。加齢とともに脳の衰えを実感する人は多いだろう。「このままだと、早く認知症になるのでは?」という心配が頭をよぎることもあるだろうが、脳の機能は加齢とともにただ落ちていく一方なのだろうか。どうすれば年齢を重ねても健康な脳を維持できるのか。脳に関する興味深い事実や、健康な脳を維持するための生活習慣について、過去の人気記事を基にコンパクトに解説していく。

  • 疲労解消は「脳の疲れ」をとることから

    しつこい「疲労」の正体は、実は脳の自律神経の機能の低下であることが近年の疲労医学の研究で明らかになってきた。本記事では、放置すると老化にもつながる「疲労」の怖さとその解消法を、過去の人気記事を基にコンパクトに解説していく。

  • 怖い病気を招く「中性脂肪」を食事・運動で徹底対策!

    健康診断でもおなじみの項目である「中性脂肪」。血液中の中性脂肪が150mg/dLを超えると、脂質異常症の1つ、「高中性脂肪血症(高トリグリセライド血症)」と見なされる。血管の老化を防ぎ、心筋梗塞や脳梗塞を遠ざけるためにも、中性脂肪が上がるのを避けなければならない。そこで、今回はやっかいな中性脂肪の正体や、食事や運動でできる鉄板の対策法を一挙紹介していく。

テーマ別特集をもっと見る

スポーツ・エクササイズSPORTS

記事一覧をもっと見る

ダイエット・食生活DIETARY HABITS

記事一覧をもっと見る

からだケアBODY CARE

記事一覧をもっと見る

医療・予防MEDICAL CARE

記事一覧をもっと見る

「日経Goodayマイドクター会員(有料)」に会員登録すると...

  • 1オリジナルの鍵つき記事鍵つき記事がすべて読める!
  • 2医療専門家に電話相談できる!(24時間365日)
  • 3信頼できる名医の受診をサポート!※連続して180日以上ご利用の方限定

お知らせINFORMATION

SNS

日経グッデイをフォローして、
最新情報をチェック!

RSS

人気記事ランキングRANKING

  • 現在
  • 週間
  • 月間

NIKKEICopyright © 2022 Nikkei Inc. All rights reserved.