加工食品は依存症になりやすい!?
精製された砂糖や炭水化物、脂肪の配合が依存性の原因だった
大西睦子
研究対象の約92%の人に“やめたくても食べるのを止められない”食べ物がある
また研究チームは、キャンパスで募集した18歳から23歳(平均19.27歳)までの学生120人(男性32.5%、女性67.5%。平均BMIは23.03)に対し、食物依存症の調査を行いました。
研究対象の学生はまず、イエール大学の研究者らが作成した「Yale Food Addiction Scale(YFAS/イエール大学・食物依存症テスト)」という小テストを受けました。
イエール大学・食物依存症テスト | |
1 | お腹がすいていないのに、ある特定の食べ物をつい食べてしまう |
2 | 食べ過ぎると、疲れを感じて、動きが鈍くなる |
3 | ある特定の食べ物を食べないと、動揺や不安などの禁断症状が出る |
4 | 食べることで、うつ、不安、自己嫌悪や罪悪感などの心理的問題が生じる |
5 | 食べることが、仕事、勉強や休養を妨げる |
6 | 食べることで、感情や身体に問題が出ても、まだ同じものを食べ続ける |
7 | 以前と同じ量を食べても、ネガティブな感情が続き、前のように楽しい気持ちにならない |
このテストには上記の質問を含め25項目があり、1から5のような質問に対しては、それぞれの質問に対し、以下から解答を選択し、それぞれに設定されたポイント(例えば上記の1の解答が1なら0ポイント、5なら4ポイントなど)を集計します。また、6、7のような質問に対しては、NO=0ポイント、YES=1ポイントと集計して、最終的な評価を出します。
イエール大学・食物依存症テストの回答選択肢(頻度) | |
1 | 全くない |
2 | 1カ月に1回 |
3 | 1カ月に2~4回 |
4 | 1週間に2~3回 |
5 | 1週間に4回以上 |
その結果、学生の約7%は何らかの食品に対し、食物依存症の条件を完全に満たしていました。さらに約92%は食べたいという願望が強く、やめたくても止まらない食べ物があることが分かりました。
次に、さまざまな栄養成分を持つ35種類の食品の絵を用意し、2つを選んで学生に見せ、どちらが問題の多い食品だと思うかを選んでもらいました。そのうち18種類はケーキ、チョコレート、ポテトチップのような、加工度合いの高い食品。残りの17種類は加工されていない、バナナやニンジン、ナッツなどの食品でした。
もちろん学生らが“問題”と指した食品のトップ10はすべて、加工度の高い食品が占めました。
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- 加工度の高い食品に、依存症の問題がある