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医学博士 大西睦子のそれって本当? 食・医療・健康のナゾ

加工食品は依存症になりやすい!?

精製された砂糖や炭水化物、脂肪の配合が依存性の原因だった

 大西睦子

“やめられない止まらない”のは依存症

 みなさんは、「ひと口だけ」のつもりでポテトチップスの袋を開けたら、止まらなくなって、やめなければという自制心とは反対に、気づいたら1袋全部食べてしまっていた…という経験はありませんか? このような食べることがコントロールできなくなる症状が特徴なのが、“食べ物依存症”です。

 依存症は、衝動的で感情的な反応が増えるため、アルコールや覚醒剤、ハーブ・リキッド・パウダーなどの危険ドラッグ、睡眠薬などの、本来は生体内には存在しない物質に依存する物質関連障害と同じような影響を脳に及ぼします。「ポテトチップスぐらいでそんな…」と思うかもしれませんが、食べ物依存症は物質関連障害と同じように、脳内報酬系が活性化することが分かっています。

 では人間はどんな食品に依存症を起こしやすいのかというと、具体的な食品名の報告は少ないのですが、動物モデルだと加工度の高い食品は依存性が高いという研究結果が出ています。ラットの実験では“クリームを挟んだチョコレートクッキー”のような、高度な加工食品に対する依存性や過食症が認められました。

加工食品には薬物やアルコールのような物質関連障害がある!?

 ミシガン大学の研究者らは報告の中で、加工度の高い食品は、薬物やアルコールの乱用と同じ薬物動態を持つと唱えています。薬物動態とは、薬の生体への吸収、全身への分布、代謝による構造の変化と体外への排泄のことです。

 前述の物質関連障害は、大きく「物質使用障害(物質依存と物質乱用)」と「物質誘発性障害」の2つに分けられており、なかでも物質使用障害は、依存(dependence)と乱用(abuse)の行動を引き起こすものを指します。

 濃縮された物質は、投与量が多くなり、作用も強く出るため、乱用の可能性が増します。例えば水は、乱用の可能性はあっても低いですよね。ところがアルコール分5%のビールは、水に比べると乱用する可能性が高まります。これがアルコール分20~75%の蒸留酒になると、乱用だけでなくさまざまな問題を引き起こす可能性が高くなるのです。

 同様のことが、高度に加工された食品にも言えるわけです。

 新鮮な果物や野菜に比べると、加工食品は砂糖や精製された炭水化物、脂肪の成分が増えがちです。こうした成分の“用量”が多くなると、物質使用障害と同様に、その加工食品の乱用の可能性が高まることがあります。

 例えばケーキやピザなどはかなり加工された食品で、白い小麦粉や砂糖など、精製された炭水化物がたっぷり使われていますよね。こうした成分の濃度が高いうえに、繊維質やタンパク質、そして水が取り除かれることで、精製された炭水化物が体内のシステム内に吸収される速度が増します。一方バナナは糖分が多い食品ですが、未加工なので繊維やタンパク質、水などがしっかり含まれており、糖分が血流に入る速度はゆっくりになります。

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