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医学博士 大西睦子のそれって本当? 食・医療・健康のナゾ

朝食を抜くと減量できる or できない?

結局1日何回食べればいいの?

 大西睦子

食事の回数を増やしても、減量には有効ではない

 そんな状況が続いた1997年、フランスの研究者たちは、それまでに報告された研究成果を再評価しました。そして結局、体重を調整しているのは、食事の回数ではなく、食事の摂取量、つまり総カロリーと判断したのです。

■参考文献
U.S. National Library of Medicine「Meal frequency and energy balance.

 さらに、2010年にカナダの研究者らは、同じカロリー制限の条件のもとで、食事の回数を増やせば、体重が減るかどうかを調査しました。

 調査方法は
  ・対象者は16人の肥満の成人
  ・8週間同じカロリーで、食事回数の多いグループ=1日3食+3スナック、食事回数の少ないグループ=1日3食のみに分けて経過観察
  というものでした。

 8週後、どちらのグループも平均4.8%体重が減りましたが、食事の回数による差はありませんでした。結局、摂取するカロリーが同じなら、食事の回数を増やしても、減量には有効ではないことが分かったわけです。

朝食を抜くと減量できた!

 それでは、1日3回がベストなのでしょうか?

 朝食は必須なのでしょうか?

 2013年、米国コーネル大学の研究者らは、毎日の体重管理のためには朝食が不可欠、という通説にどこまで信ぴょう性があるかを確認しました。

 研究者らは、朝食を食べる習慣がある人と朝食を食べない人を、研究の参加者として募集しました。そして参加者が、朝食の時間以降、どのくらい食べるかを観察しました。朝食をとらない人は、朝食をとる人よりも空腹になりましたが、昼食またはその他の時間に、より多く食べることはありませんでした。

 さらに1日のトータルで見ると、朝食を食べない人の摂取カロリーは、平均408kcalも少ない量でした。つまり、朝食を抜くと、かえって減量できるという結果だったのです。

■参考文献
U.S. National Library of Medicine「Effect of skipping breakfast on subsequent energy intake.

カロリーは、食事の全体量の目安として用いる程度

 それでは、朝食は抜いた方がいいのでしょうか? 結局、1日何回食べればいいのでしょうか?

 ここまでの研究の結果から考えると、限定できる回数はないと思います。性別、年齢、身体活動や仕事、病気などによっても、1日に必要なカロリーはまったく違いますし、ライフスタイルによっても、食事のタイミングは変わってきますよね。ですから、それぞれ個人が、カロリーと体重をコントロールする自分に合った方法を見つけるべきだと思います。

 もっと重要な点は、カロリーは食事の全体量の目安として用いる程度にしておいて、栄養素、内容と質に注意するべきことです。また、適度な運動は欠かせません。ダイエットの長期的な目標は、健康的な食生活を楽しみ、生活習慣病などのリスクを減らして、イキイキと人生を送ることですから。

大西睦子(おおにし・むつこ)
医学博士
大西睦子(おおにし・むつこ) 東京女子医科大学卒業後、同血液内科入局。国立がんセンター、東京大学医学部附属病院血液・腫瘍内科にて、造血幹細胞移植の臨床研究に従事。2007年4月より、ボストンのダナ・ファーバー癌研究所に留学し、ライフスタイルや食生活と病気の発生を疫学的に研究。2008年4月より、ハーバード大学にて、食事や遺伝子と病気に関する基礎研究に従事。著書に『カロリーゼロにだまされるな――本当は怖い人工甘味料の裏側』(ダイヤモンド社)。
日経トレンディネット2014年6月20日付け記事からの転載です。

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