日本経済新聞 関連サイト

ようこそ ゲスト様

日経 Gooday

ホーム  > からだケア  > スゴイカラダ  > 体脂肪はただのぜい肉ではなかった!  > 2ページ
印刷

スゴイカラダ

体脂肪はただのぜい肉ではなかった!

脂肪細胞はエネルギー代謝の調節係、だが肥大化するとメタボの原因に

 北村 昌陽=科学・医療ジャーナリスト

メタボ症候群の正体は内臓脂肪の「炎症」

 脂肪細胞が一線を超えて病的に膨らむと、アディポネクチンの分泌量が、今度はがくんと減ってしまうという。すると代謝が悪くなり、処理し切れない糖分や脂肪が血液中にあふれる。アディポネクチンには血管の傷みを補修する作用もあるので、これが減ることで血管の傷みが進んで動脈硬化になる。

 「これがメタボリックシンドロームの正体です」

 太った脂肪細胞はさらに「悪玉ホルモン」と呼ばれる一連の成分を分泌する。すると血液が固まりやすくなり、心臓病や脳卒中のリスクが高まる。

 これは一体なにごとなのか?

 「脂肪組織が“炎症”を起こしているんですよ」 

 炎症といえば、風邪でのどが赤くはれたり、傷口が熱を持つような、あの反応のこと。体内に侵入した菌やウイルスの増殖を抑える「免疫反応」の一部だ。

 太った脂肪細胞が放出する悪玉成分は、なぜか免疫の担い手であるマクロファージという細胞を呼び寄せる。マクロファージは通常、体内に侵入したバクテリアなどを食べてくれるありがたい細胞だが、悪玉成分に刺激されると、不必要な炎症を引き起こしてしまうのだ。

 炎症が脂肪細胞を刺激し、さらに悪玉化させる。結果、脂肪細胞は悪玉ホルモンを一層まき散らし、血液はもっとドロドロ、炎症がさらに蔓延…という悪循環に陥る。

図2◎ 脂肪をため過ぎた脂肪細胞は“悪玉化”し、炎症を起こす
[画像のクリックで拡大表示]

 「この悪循環から脱するには、脂肪細胞をスリムにするしか方法がありません」。なるほど、それでメタボな人はダイエットに励む必要があるわけだ。ちなみにこういう悪循環が起きやすいのは、内臓脂肪がたまった場合。へそがグイッとせり出すように太ったら、要注意だ。

 ところでダイエットの方法は大まかに「食事制限」と「運動」があるが、井澤さんによれば、同じ程度の減量でも、運動でやせるほうが炎症を抑える効果が高いという。健康的にやせるなら、食事制限だけじゃなく運動も! 覚えておきましょう。

(出典:『スゴイカラダ』日経BP社 2014年4月発行)


北村 昌陽(きたむら まさひ)
科学・医療ジャーナリスト
北村 昌陽(きたむら まさひ) 1963年北海道生まれ。91年京都大学大学院理学研究科博士課程単位取得退学。専攻は生物物理学。92年日経BP社入社。日経メディカル編集部を経て、2000年より日経ヘルス副編集長に就任。ダイエット、エクササイズ、メンタルヘルスなどの特集や連載を担当。2009年退社。現在、医療・健康ジャーナリストとして活躍している。著書に『カラダの声をきく健康学』(岩波書店)がある。

『スゴイカラダ』(日経BP社)好評販売中

今、私たちの身の回りは、ものすごい量の「カラダにいいこと」を伝える情報であふれています。しかし、「カラダにいいこと」をするには、その背後に「カラダを大事にする気持ち」があってこそです。カラダは、自分自身をとても大切な、価値のあるものとして扱っています。その姿勢が、内臓や神経、ホルモンなどの働きぶりとして表れています。カラダのしくみそのものが、「カラダは大事だよ」と語っているのです。どうぞ、カラダのすごさ、知恵深さをじっくりと味わってください。「へー」「すごい」「なるほどねぇ」とうなずきながら読んでいくうちに、いつの間にか「カラダは大事だよ」というカラダからのメッセージが、あなたの中にも染み込んでいくと思います。──「はじめに」より改変

>>詳しくはこちら(Amazonのページにジャンプします)

先頭へ

前へ

2/2 page

RELATED ARTICLES関連する記事

からだケアカテゴリの記事

カテゴリ記事をもっと見る

FEATURES of THEMEテーマ別特集

  • かかると怖い!「膵炎」「膵がん」

    激痛に襲われる「急性膵炎」や、発見しにくく5年生存率が極めて低い「膵がん」など、膵臓の病気には厄介なものが多い。今回は、膵臓という臓器の役割や、膵臓の代表的な病気である「膵炎」「膵がん」の怖さ、早期発見のコツをまとめていく。

  • 60代以降で急増! 男を悩ませる前立腺の病気

    中高年にさしかかった男性にとって、病気が心配になる臓器の1つが「前立腺」だ。前立腺の病気のツートップ、前立腺肥大症と前立腺がんは、いずれも中高年になると急増する。前立腺肥大症は夜間頻尿などの尿トラブルの原因になり、前立腺がんは、進行が遅くおとなしいがんと思われているが、骨に転移しやすいという特徴があり、怖い一面もある。今回のテーマ別特集では、前立腺の病気の症状から、具体的な治療法までを紹介していこう。

  • 悪玉コレステロールを下げ、善玉コレステロールを上げる実践的な対策

    健康診断で多くの人が気にする「コレステロール」。異常値を放置すると動脈硬化が進み、心筋梗塞や狭心症のリスクが高まっていく。数値が悪くても自覚症状がないため、対策を講じない人も少なくないが、異常値を放置しておいてはいけない。では、具体的にどのような対策を打てばいいのだろうか。今回のテーマ別特集では、健診結果のコレステロール値の見方から、具体的な対策までを一挙に紹介していこう。

テーマ別特集をもっと見る

スポーツ・エクササイズSPORTS

記事一覧をもっと見る

ダイエット・食生活DIETARY HABITS

記事一覧をもっと見る

からだケアBODY CARE

記事一覧をもっと見る

医療・予防MEDICAL CARE

記事一覧をもっと見る

「日経Goodayマイドクター会員(有料)」に会員登録すると...

  • 1オリジナルの鍵つき記事鍵つき記事がすべて読める!
  • 2医療専門家に電話相談できる!(24時間365日)
  • 3信頼できる名医の受診をサポート!※連続して180日以上ご利用の方限定

お知らせINFORMATION

日経Gooday新型コロナ特設

SNS

日経グッデイをフォローして、
最新情報をチェック!

RSS

人気記事ランキングRANKING

  • 現在
  • 週間
  • 月間

NIKKEICopyright © 2020 Nikkei Inc. All rights reserved.