イライラしたとき、ついこんな言葉が口をついてきませんか?「あ〜ストレスがたまるっ!」。そんなとき、あなたの体の中で起こる変化をのぞいてみましょう。体は懸命に対応していますが、そのやり方は、現代の社会では空回り気味なのかもしれません。

今の世の中、ストレスと無縁の人はいないだろう。ラッシュアワーの電車、街の騒音、ご近所や職場の人間関係、仕事のプレッシャー…実にさまざまなことが私たちの心と体を逆なで、日々のイライラをつのらせる。そんなとき、私たちの体の中では何が起こっているのだろう?
「ストレスは、体内の“平穏”を乱すもの。それに対応して体の中では、防御反応が動き出します」。こう語り始めたのは、東北大学大学院教授の井樋慶一さんだ。
ストレスホルモンは「万能薬」どんなストレスにもこれで対応
一般にストレスというと、嫌な上司の小言など精神的なプレッシャーになるようなものごとを思い浮かべる人が多いだろう。でも医学的には、体内の平穏を乱すものをすべてストレス(正確には「ストレッサー」)と呼ぶ。だから、例えば暑さ、飢え、有害物質、ウイルス感染なども、嫌な上司と同列に、ストレスとして扱われる。
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