中野ジェームズ修一が熱血指導! 『ぽっこりお腹解消メカニズム』
久しぶりの運動でアキレス腱伸ばし、前屈はダメ!?
運動前のウォーミングアップには動的ストレッチを
中野ジェームズ修一
「立った状態での前屈」が最も危険!?
体が温まっていない状態での静的なストレッチは基本的におすすめできないのですが、そのなかでも特にやってほしくないものがあります。それが、立った状態で前屈をするというものです。
立った状態で前屈をすると、45度から50度ぐらいの角度までは腰椎が曲がることで体が倒れていきます。それ以降は腰椎が曲がらないので、今度は骨盤を傾けることで体が前に倒れているのですが、普段からあまり運動をしていないとこれがうまくできません。
運動不足の方は太ももの裏側の筋肉であるハムストリングスや臀(でん)部の筋肉が硬くなってしまっていることが多いのですが、ハムストリングスや臀筋群が硬いと骨盤がしっかり動いてくれないのです。それを無理に動かそうとすると腰椎に負担がかかり、腰を傷めてしまうことがあります。プロのトレーナーは、ハムストリングスや臀筋群の柔軟性が分からない状態で立位の前屈をやらせることはありません。それほどリスクが高い動作なのです。
もうひとつ、運動前にやってしまいがちな危険なストレッチが、反動をつけてアキレス腱を伸ばそうとするものです。誤解している方もいると思うのですが、そもそもアキレス腱は伸びるものではありません。あの動作で伸びているのははふくらはぎの筋肉である下腿三頭筋で、それらを反動をつけていきなり伸ばそうとするのは危険です。
運動前はとにかくウォーミングアップが大切。静的なストレッチではなく、動的なストレッチや軽いジョギングを行うようにしてください。