中野ジェームズ修一が熱血指導! 『ぽっこりお腹解消メカニズム』
「汗をかく=脂肪が落ちる」は勘違い!
ボクサーの減量とダイエットは全くの別物
中野ジェームズ修一
体温が上がりすぎると脂肪燃焼の妨げに
人間の体の中には「リパーゼ」という脂肪を燃焼させる酵素があります。リパーゼの働きは体温が通常の状態よりも1~2度高いときに最も活性化するといわれています。たくさん着込んで運動をすると体温が上がりすぎてしまい、リパーゼの働きが悪くなって脂肪燃焼に適さない状態になってしまうわけです。
サウナに入ることも同様で、脂肪燃焼の効率だけを考えると効果的ではありません。運動中は速乾性・通気性に優れたウエアを着て体温をコントロールし、暑くなったら上着を脱ぐ、といったことが重要です。
また、運動時に水分をしっかりと補給することもポイント。脱水状態になってしまうと、脂肪の代謝効率は極端に低下してしまいます。注意したいのが、「のどが乾いた」と感じたときにはすでに脱水症状が起きているということ。のどの乾きを感じる前に水分を補給することが大切なので、運動前、運動中、そして運動後とマメに水分をとるようにして下さい。それから、冷たい飲み物はオーバーヒート状態にある体をクールダウンする効果もありますので、暑い時期は特に重要なことだといえるでしょう。
補給する水分は水道水やミネラルウォーターで問題ないのですが、かなりの量の汗をかいた場合は、水だけを大量に摂取すると血中の電解質のバランスが悪くなります。電解質のバランスが悪くなると、体がけいれんを起こしやすくなったり、ひどくなると意識が朦朧(もうろう)としたりすることがあります。
そこで活用したいのが、市販のスポーツドリンク。スポーツドリンクなら汗と一緒に体外に出されたミネラル分も補給でき、血中の電解質のバランスを整えることができます。
「スポーツドリンクは糖分が多いから太りやすい」と思っている方もいらっしゃると思いますが、1日に何十リットルも飲むわけではないですし、心配するほどカロリーも高くありません。また、一般的なスポーツドリンクの糖度は8~12%程度なのですが、これは水分の吸収率が最も良いとされている数値。ある程度糖質が入っていないと、体内に水分が吸収されにくいのです。逆に糖度が高すぎても吸収率は下がります。例えば糖度が20~30%程度あるジュース類は糖度が高すぎ、水分の補給には向きません。
仕事上、マラソンランナーに話を聞く機会が仕事上多いのですが、スペシャルドリンクの中身は普段飲み慣れているスポーツドリンクが多いようです。甘みが気になる場合はスポーツドリンクに水を混ぜる方もいらっしゃいます。飲みすぎはよくないですが、手軽に調達でき、バランス良くミネラルが入っているスポーツドリンクは便利なアイテムといえるでしょう。
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- 「運動の後のビール」は危険!