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腰痛の85%は「原因不明」!? 【腰痛対策前編】
やはり肥満のせい? 「脳」と「腰痛」の意外な関係
中野ジェームズ修一
鎮痛物質を出す脳の側坐核の働きと関係
「そんなわけがない!」と思う方もいらっしゃるのではないでしょうか。原因が分からない、病名がつかないというのは不安かもしれません。
今、注目されているのが「脳」と「腰痛」の意外な関係です。福島県立医科大学が原因不明の腰痛患者の脳血流量を調べたところ、なんと約70%の腰痛患者が健康な人に比べて脳血流量が少なかったのです。言い換えると、脳の働きが低下していたということですね。
これについて米国のノースウエスタン大学がさらに詳しく調べ、特に活動が低下しているのは「側坐核(そくざかく)」という部分であることが分かってきました。
側坐核は痛みの信号が脳に届いたときに、鎮痛物質を出すように命令を出す場所だと考えられています。その側坐核の働きが慢性的なストレスを受けることで低下し、痛みが抑えられなくなるというのです。
ただ「あなたの腰痛はストレスによるものですね」と言われると、「なんだか納得できない」「ほかに原因があるに違いない」と思われる方も多いかもしれません。しかし、ストレスがたまると体に悪影響が出るということはみなさんも体験したことがあるのではないでしょうか。
腰痛は心因性の多可能性が高い
ストレスが体に及ぼす影響はいろいろなものがあります。心拍数が高まり、血圧が上昇する。呼吸が浅くなり、早くなる。血液中にアドレナリンなどのホルモンが分泌される。肝臓の蓄積糖分が血液中に放出される。筋肉が緊張する。末端部分への血行が減少して手足が冷たくなる。発汗が増進する。消化器への血行が著しく低下する。といったことが挙げられ、この結果、高血圧・不整脈、呼吸不全・喘息、胃腸障害・胃潰瘍、肥満・糖尿病、偏頭痛・視力異常、不安障害・不眠などを引き起こします。
ビジネスパーソンの方々であれば、ストレスによる胃腸障害や不眠などは経験したことがあるのではないでしょうか。それらと同じように、腰痛も心因性である可能性が高いということなのです。
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- 腰痛の治療に「抗うつ薬」!?