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有森裕子の「Coolランニング」

有森裕子 疲労回復には「冷やす」「温める」をセットで!

その日の疲労はその日のうちに取ってケガを防ごう

 有森裕子=元マラソンランナー

肩こりもやわらぐ水風呂とお風呂の「交互浴」

 アイシングの後は「温め」です。冷やして炎症を抑えた後、温めることで血流を促進して回復を早めるのが狙いです。「温め」は普通の入浴で大丈夫です。冷やした後に、熱すぎずぬるすぎない程度のお湯に10分ほど入るといいと思います。

 さらに疲労回復に効果があるのは、「アイシング」と「温め」を交互に繰り返すことです。家ではなかなか難しいかもしれませんが、休日などにスーパー銭湯や温泉施設に行って、水風呂とお湯に交互に浸かる交互浴を繰り返すと、血管の収縮と拡張が繰り返されて血流が良くなります。血流が良くなれば、疲れ、傷ついた筋肉に、より多くの栄養素が運ばれる効果が期待できるようです。

 私自身の経験では、水風呂に1分入り、お風呂に1分入るということを5回程度繰り返せば、心身ともにスッキリするだけでなく、肩こりなどもやわらぐように思います。

 トレーニング疲れではなく、日々の仕事で疲れが抜けきれないというときにも交互浴をすれば、体感的に体が楽になるような気がします。温泉施設になかなか行けないという人は、1分ほど冷水を浴びて、1分ほど入浴するという方法を5回ほど繰り返すのでもいいのではないでしょうか。自身が気持ちいいと思う方法を探していただければと思います。

 くれぐれも気をつけていただきたいのは、水風呂に入るときには足の爪先からゆっくりと入り、無理して入らないこと。水のシャワーを浴びるときも同様に、心臓に負担がかからないように気をつけてください。高血圧や心臓などに持病がある方は、主治医にご相談の上、お試しください。

「アイシング」&「温め」はランニング初心者にもお勧め

 秋頃から春先に向け、5~6週間に1回といったペースで大会に参加し続けているランナーの方もいらっしゃると思います。できれば全てフルマラソンに出場するのではなく、スピード練習代わりにハーフマラソンに出るなど、体に負担がかかりすぎないレースの出方を意識していただきたいところですが、「アイシング」&「温め」のケアを習慣化して疲労回復に努めれば、大会と大会の間の期間が短くても、記録にもつながりやすくなると思います。

 お正月に食べすぎて、ダイエット目的で走り始めた方や、以前走っていたけどやめてしまい、心機一転再開した方などにも「アイシング」&「温め」はお勧めです。最初はウォーキングや階段の上り下りから始めたとしても、慣れない運動量で疲労は溜まりやすいと思います。そんなときはぜひ「アイシング」&「温め」を実践して、日々のダメージを取り除きながら、少しずつ練習量を増やすようにしてください。決して自身の体力を過信せず、疲れ具合や痛みの有無を確認しながら少しずつトレーニング量を増やすことをお勧めします。

(まとめ:高島三幸=ライター)

有森裕子(ありもり ゆうこ)さん
元マラソンランナー
有森裕子(ありもり ゆうこ)さん

1966年岡山県生まれ。バルセロナ五輪(1992年)の女子マラソンで銀メダルを、アトランタ五輪(96年)でも銅メダルを獲得。2大会連続のメダル獲得という重圧や故障に打ち勝ち、レース後に残した「自分で自分をほめたい」という言葉は、その年の流行語大賞となった。市民マラソン「東京マラソン2007」でプロマラソンランナーを引退。2010年6月、国際オリンピック委員会(IOC)女性スポーツ賞を日本人として初めて受賞した。

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