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有森裕子の「Coolランニング」

有森裕子 5時間台のフルマラソンを体験して知った新たな楽しみ

ランナーが倒れた現場に遭遇し、AEDの重要性を痛感

 有森裕子=元マラソンランナー

ランナーの心肺停止の現場に居合わせ、AEDの重要性を痛感

すみやかにAEDを使えば、救命率は高まります(※写真はイメージです)。(C)Thanagon Srichanchom-123rf

 さて、今回の大会では、フルマラソンに出場した男性ランナー2人が途中で倒れて心肺停止状態になってしまいましたが、幸い、近くにいた救護スタッフらが自動体外式除細動器(AED)で対応し、一命を取り留めることができました。

 24km付近で50代の男性が倒れたとき、実は私もちょうどその辺りにいました。偶然近くにいらっしゃった一般参加の医師などが初期対応にあたってくださったため、私はほかの参加者が立ち止まらないよう、誘導する役割を担っていました。すぐに救護スタッフやドクターランナーが駆けつけてくれたので大事に至らず、本当によかった。AEDの大切さを改めて痛感させられる場面でもありました。

 ランナーが倒れてしまった現場では、居合わせた人たちがAEDのトレーニングを受けていることと同じぐらい、「AEDを使うべきかどうかの判断」も重要になります。仮にその時点では呼吸や心音が確認できても、いつその状況が変わるか分かりません。そんな場合にAEDを使うか否かの判断は素人には非常に難しいと専門家は言います。では、我々ができることは何なのでしょうか。AEDを使うべきかどうかの判断はできなくても、人が倒れたら、AEDとそれを使える専門のスタッフを一刻も早く現場に呼ぶように迷わず行動することだと思います。

 今回偶然、そんな体験をした直後に、日本AED財団主催の「減らせ突然死 AED推進フォーラム2017」が開催され、私はASJ(ATHLETE SAVE JAPAN)スペシャルアンバサダーとして参加しました。AEDの重要性は前々から意識していたのですが、今回の大会での体験とフォーラムで聞いた話が重なって、マラソン大会という場を使って「AEDの重要性や命の大切さ」をもっと発信していったほうがいいと改めて感じました。

 例えば、スタート前の参加者が集まっている中や、大会前日のイベントなどで、「人が倒れたらすぐにAEDを持った救護スタッフを呼びましょう」とアナウンスするだけでも、AEDが必要になる場面に遭遇したときに誤った判断に至らないように思うのです。

 AEDはあらゆる場所で必要になります。その重要性を、学校や公共施設といったいろいろな場所でもっと訴えていかなければいけないとも思います。学校なら先生たちがきちんとAEDの知識を持ってほしい。その一つのきっかけとして、全国各地で開催されるマラソン大会での啓発活動が役立てばいいなと思います。

(まとめ:高島三幸=ライター)

有森裕子(ありもり ゆうこ)さん
元マラソンランナー
有森裕子(ありもり ゆうこ)さん

1966年岡山県生まれ。バルセロナ五輪(1992年)の女子マラソンで銀メダルを、アトランタ五輪(96年)でも銅メダルを獲得。2大会連続のメダル獲得という重圧や故障に打ち勝ち、レース後に残した「自分で自分をほめたい」という言葉は、その年の流行語大賞となった。市民マラソン「東京マラソン2007」でプロマラソンランナーを引退。2010年6月、国際オリンピック委員会(IOC)女性スポーツ賞を日本人として初めて受賞した。

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