東京マラソンの人気などを背景に、ランニング人口は2080万人に増加し、各種スポーツの中でも高い関心を集めています。特に20~40代の男性の参加が多い一方で、アスリートのような走りを性急に求めすぎた結果、故障をしてしまう人も少なくありません。そんな状況に危機感を抱くのは、五輪マラソンメダリストの有森裕子さん。トップアスリートならではの深いランニング知識を基に、楽しく長く走り続けるためのコツをお届けします。
スポーツ用品店に足を運ぶと、ランニングシューズの種類の豊富さに驚きます。たくさんのモデルがある中で、あなたは何を基準にランニングシューズを選んでいますか? 悩んだ末に結局、デザイン重視で選んでいるランナーは少なくないように思います。
これだけ種類が多ければ、どのシューズを選んでいいのか分からなくなるのは当然。「最軽量」「優れたクッション性」「五輪モデル」というキャッチコピーに引かれたり、憧れのマラソンランナーが履いているモデルが目に入ったりすると、つい手を伸ばしてしまうことでしょう。どうせならかっこいいデザインや、かわいいカラーのシューズを履きたいでしょうし、ファッション性を重視し、お気に入りのデザインのシューズを履けば「走りたい」というモチベーションが高まります。
でも、ちょっと待ってください! シューズは足をケガから守る大事なアイテムです。ランニングに耐えられる足ができていない初心者こそ、シューズは「好み」や「ファッション」で選んで欲しくないのです。トップランナーだってシューズには細心の注意を払って選んでいるのですから、初心者こそ気をつけて選んで欲しいのです。