五輪マラソンメダリストの有森裕子さんが、トップアスリートならではの深いランニング知識を基に、楽しく長く走り続けるためのコツをお届けする本連載。今回は、中上級ランナーがレベルアップするための練習について解説します。
秋も深まり、早いもので今年も残すところ2カ月を切りました。マラソンシーズンは今が本番。肌寒くなってきましたので、ケガをしないようにしっかりと体を温めて準備をし、練習後のメンテナンスも忘れずに行ってレースや練習に挑んでください。
今週末、11月13日(日)は、私も2回目のおかやまマラソンを走る予定です!(でも相変わらず練習ができていません…)。その辺りのお話は次回以降にお伝えすることにして、昨年の様子はバックナンバー「引退後初レースで流した、現役時代とは違う涙」をご覧ください。
さて、このコラムでは、幅広い方々に読んでいただくため、練習内容については主にランニング初心者に向けてお話をしてきました。今回は、一歩進んで、記録を狙いたい、サブスリー(フルマラソンで3時間を切るランナー)、サブフォー(フルマラソンで4時間を切るランナー)といった中上級者向けのトレーニングのお話をしたいと思います。
タイムを縮めたいなら心肺機能を高める練習は必須
ランニングクリニックなどでお話をしていると、「どんな練習をしたらタイムが上がりますか?」というご質問を多くいただきます。もちろん、あらゆる要素の強化が必要ですが、そのうちの1つとして、「心肺機能を高める練習は必須だ」とお答えしています。その練習がしっかりできていれば、レース本番では楽に走れますし、苦しくなった時に、自分の能力の“もう一段階上の力”を出しきる練習でもあるので、フルマラソンの35km以降の最も苦しい状況を乗り越えられ、ラストスパートができる。それが自己ベストの更新につながります。
心肺機能を高めるために最も効果的な練習は、「インターバルトレーニング」です。
