新しい情報に飛びつく前に“当たり前の積み重ね”を
これからさらに寒さが増して、季節の変わり目は体調を崩しやすくなります。あらゆる健康情報が出回る中、疲労回復のためにアミノ酸のサプリメントを意識的に摂取するなど、目新しい情報に飛びつく前に、まずは体を冷やさず、季節の食材を使ったバランスのいい食生活を心がけてください。極々当たり前のことですが、この“当たり前の積み重ね”が土台となって、体調を崩さずに走れる体を作ります。
マラソンシーズンに入って、オーバーワーク気味になっている人も多いと思いますが、過信は禁物です! 季節の変わり目の今こそ、体のケアを意識するタイミングだと思って、マッサージに行って筋肉の張りを確かめたり、体のバランスや走り方をチェックしたりしてみてください。
やや体が疲れているかも…思う状態でマラソン大会を迎えてしまった場合は、42.195kmを真剣に走らなくても構いません。最初の10kmを頑張って走り、後半の30km近くは、フォームを意識しながらクーリングダウンのようにゆっくり走る時間に当てればいいのです。あるいは、「人の振り見て我が振り直せ」ではないですが、他人の走り方を観察しながら、良い点や悪い点を考え、自分に反映させる機会にしてもいいでしょう。
トレーニング方法は頭を使えばいくらでもあります。情報誌からランニングのポイントを学ぶのもいいですが、自分の頭で考えて体を動かすことが、一番大切だと思います。
- 全身鏡の前に立ち、体の歪みなどをチェックする習慣をつける
- トレッドミルなどを使って走り、ジムのトレーナーやランニング教室の先生などに見てもらったり、鏡に映るフォームを自分の目で確認したりして、フォームの特長をチェックする
- ランニング教室や大会に参加して、他人のフォームをチェックし、自分と比較してみる
(まとめ:高島三幸=ライター)
元マラソンランナー

1966年岡山県生まれ。バルセロナ五輪(1992年)の女子マラソンで銀メダルを、アトランタ五輪(96年)でも銅メダルを獲得。2大会連続のメダル獲得という重圧や故障に打ち勝ち、レース後に残した「自分で自分をほめたい」という言葉は、その年の流行語大賞となった。市民マラソン「東京マラソン2007」でプロマラソンランナーを引退。2010年6月、国際オリンピック委員会(IOC)女性スポーツ賞を日本人として初めて受賞した。