日本経済新聞 関連サイト

ようこそ ゲスト様
日経Gooday TOP  > スポーツ・エクササイズ  > 有森裕子の「Coolランニング」  > 有森裕子 マラソンシーズン真っただ中、不調を感じた時は…  > 2ページ目
印刷

有森裕子の「Coolランニング」

有森裕子 マラソンシーズン真っただ中、不調を感じた時は…

情報に振り回されず、自分の体とじっくり対話しよう

 有森裕子=元マラソンランナー

自分の体を知り、“考える時間”を大切にしよう

 大事なのは、自分の体や現状を知り、「どこを鍛えようか」「どこが悪いのかな」と考える癖を身につけることです。この“考える時間”を大切にして楽しんでいる人こそ、ランニングのスキルアップにつながっているように思うのです。

 私自身も現役から退き、筋量がだいぶ落ちているので、自分の走り方が以前と違うことは分かっています。「右脚のこの部分が妙に痛いな」「この部分の筋肉が張るな」と思ったら、腕振りの際の肩の位置がベストな状態から微妙にズレていたりします。

 現役の頃から自分の体を知り尽くし、違和感がないか常に考えながら走っていたので、すぐに原因に辿りつけるのだと思います。原因が分かれば対策を練ることができます。皆さんもウォーミングアップの時に、ゆっくりと走りながら“自分の体やフォームをチェックする”ように意識してみてください。それが習慣になれば、ちょっとした体調の変化も敏感に感じ取れるようになるでしょう。

ケニア人のフォームを真似すれば速く走れる!?

 最近は、ランニング教室などが数多く開かれるようになり、ランニングのノウハウに関する情報もあふれていますから、陸上の実業団選手より市民ランナーの方の方がフォームやケアなどの意識が高いと思うこともしばしばあります。

 私が参加するランニング教室のイベントでも、初心者よりも経験者の数の方が圧倒的に多く、皆さん、陸上に関するある程度の知識を持っています。昔に比べて、ランニングフォームが相当ひどく、これは今すぐ注意しなくては!というランナーは少なくなってきて、皆さん、それなりの美しいフォームで走っています。時折、体を反らせて走る、腕振りのときに脇が大きく開く…などの癖ある方を見かけますが、それでも注意することが本当に少なくなってきました。それだけランニング文化が成熟してきたということかもしれません。

 ただ、効率重視の情報ばかりが目立って出回っているのも事実。「速くなりたい!」という思いから情報を貪欲に求める志は立派だと思いますが、一種の流行とも言えるランニング情報が、誰にでも当てはまるとは限りません。あくまでも一つの参考例と認識し、無理に真似しないでほしいのです。

アフリカ勢の走りをそのまま取り入れても速く走れるわけではありません。(©mezzotint123rf-123rf)

 ちなみに、ランニング教室のイベントで最近よく出るのが、「つま先から着地した方がいいんでしょうか」という質問。世界陸上などの国際的なマラソンレースで、ケニア人をはじめとしたアフリカ勢がつま先着地で走っている姿を目にして、そうした質問に辿り着くのでしょう。

 そういう質問をされると、「いやいや、あなたはケニア人ではありませんから!」とツッコミそうになってしまいます。いくら速いからといって、筋肉の付き方も育った環境も異なる外国選手の走り方が、誰にでもあてはまる万能なフォームではないのです。

 美しく効率的なフォームばかりにとらわれて、“本当に大事な知識”が抜け落ちてしまうランナーは少なくありません。ではその“本当に大事な知識”とは、なんだと思いますか? それは、“ケガをしないためのトレーニングの知識”です。ランニングを生涯スポーツに育てるためには、美しい走り方を教えるというよりは、ケガをしないための補強トレーニングやケアの重要性を発信していくことが、私の役目かなと思っています。

RELATED ARTICLES関連する記事

スポーツ・エクササイズカテゴリの記事

カテゴリ記事をもっと見る

FEATURES of THEMEテーマ別特集

  • 第3波を乗り切るためのコロナ対策

    新型コロナウイルスの新規感染者が再び急増し、日本は今、流行の第3波を迎えている。今後さらに気温と湿度が下がると、ウイルスの生存により適した条件が整うようになる。これ以上の流行拡大を防ぐためには、1人1人が感染予防策を改めて見直し、感染リスクの高い行動を避けて生活することが不可欠だ。第3波を乗り切るためのコロナ対策を、もう一度まとめた。

  • 寝たきり予備軍「フレイル」を防ぐためにできること

    老化を防ぎ、健康寿命を延ばすためには、加齢により心身が衰えた状態である「フレイル」の予防が必要になる。フレイルは、健康な状態と要介護状態の中間に当たるが、これを避けるために特に重要なのが「筋肉量の維持」だ。筋肉量が減少すると、足腰が弱くなって寝たきりにつながるだけでなく、認知症や心疾患のリスクが上がることも分かってきた。筋肉量を維持し、フレイルを防ぐために何をすればよいだろうか。

  • 「ウォーキング」「ジョギング」 大きな健康効果を得るための小さなコツ

    ウォーキングやジョギングなどの「有酸素運動」には、「コロナ太り」の解消や、生活習慣病の予防、免疫力アップなどが期待できる。ただし、漫然と歩くだけでは運動効果は低いし、かといって本格的なジョギングは運動初心者にはハードルが高い。そこで運動効果の上がる歩き方と、初心者でもできる走り方のコツを紹介する。

テーマ別特集をもっと見る

スポーツ・エクササイズSPORTS

記事一覧をもっと見る

ダイエット・食生活DIETARY HABITS

記事一覧をもっと見る

からだケアBODY CARE

記事一覧をもっと見る

医療・予防MEDICAL CARE

記事一覧をもっと見る

「日経Goodayマイドクター会員(有料)」に会員登録すると...

  • 1オリジナルの鍵つき記事鍵つき記事がすべて読める!
  • 2医療専門家に電話相談できる!(24時間365日)
  • 3信頼できる名医の受診をサポート!※連続して180日以上ご利用の方限定

お知らせINFORMATION

日経Gooday新型コロナ特設

SNS

日経グッデイをフォローして、
最新情報をチェック!

RSS

人気記事ランキングRANKING

  • 現在
  • 週間
  • 月間

NIKKEICopyright © 2020 Nikkei Inc. All rights reserved.