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有森裕子の「Coolランニング」

有森裕子 MGCは「一発勝負」? 初の選考レースで見えてきたもの

勝負の明暗を分けたものは何か

 有森裕子=元マラソンランナー

 2019年9月27日からカタールの首都ドーハで開催されていた第17回世界陸上(世界陸上競技選手権大会)が、10日6日に閉幕しました。初日に開催された女子マラソンでは、日本代表の谷本観月選手(天満屋)が2時間39分9秒で7位入賞を果たし、中野円花選手(ノーリツ)も2時間42分39秒の11位と健闘しました。最終日の男子マラソンでは、山岸宏貴選手(GMOアスリーツ)が25位、川内優輝選手(あいおいニッセイ同和損保)は29位にとどまり、少し残念な結果に終わってしまいました。

 連日の最高気温が40度を超える猛暑の中、暑さを少しでも回避するため、異例ともいえる深夜(現地時間午前0時頃のスタート)に行われた男女のマラソンでしたが、それでも女子のレースでは気温30度以上、湿度70%以上という悪条件に体力を奪われ、有力選手を筆頭に4割近くの選手が途中棄権という事態に陥りました。そんな中で粘り強さを見せた日本人選手の入賞は称賛に値するものですが、そもそもこうした過酷なコンディションの下、体力の限界を競うマラソン競技を開催することに大きな疑問を抱かざるを得ない大会でした。

 地球温暖化が進む今、マラソンの開催時期やスタート時間を根本的に見直し、早朝スタートが予定されている2020年東京五輪でも、選手はもちろん、沿道の観客、スタッフ、ボランティアの方々の健康を守るためにどうすればいいか、今一度話し合う必要性を感じました。

明暗を分けた「判断の甘さ」と「冷静さの欠如」

 そんな課題もある東京五輪のマラソンですが、日本代表となる男女各3人のうち2人を決める選考会「マラソングランドチャンピオンシップ(MGC)」が9月15日、東京で開催されました。初めての試みとなった今回のMGCは、約20分差でスタートした男女それぞれのレースがテレビで生中継され、沿道には約52万人の観客が応援に駆けつけるなど、大きな注目を集めました。

MGCで2位以内に入り、東京五輪代表が内定した(左から)鈴木亜由子選手、前田穂南選手、中村匠吾選手、服部勇馬選手。写真:YUTAKA/アフロスポーツ

 予想以上のデッドヒートが繰り広げられた男子は、優勝した中村匠吾選手(富士通)と2位の服部勇馬選手(トヨタ自動車)が代表に内定し、日本記録保持者の大迫傑選手(ナイキ)は3位に終わりました。有力候補の1人だった元日本記録保持者の設楽悠太選手(ホンダ)は、後半のスピード勝負を回避するため、スタート直後から飛び出し逃げ切る作戦に。一時は2位以下に2分以上の差をつけて独走し、圧勝も予想されましたが、気温の上昇とともに徐々に失速。37km付近で捉えられ、最終的には14位に終わりました。

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