日本経済新聞 関連サイト

ようこそ ゲスト様

日経 Gooday

ホーム  > スポーツ・エクササイズ  > 有森裕子の「Coolランニング」  > 「有森さん、スピードを上げる練習をすると膝が痛くなります。どうすればいいですか?」  > 2ページ
印刷

有森裕子の「Coolランニング」

「有森さん、スピードを上げる練習をすると膝が痛くなります。どうすればいいですか?」

痛みが生じたらまず治療、次に負荷のかからないトレーニングを!

 有森裕子=元マラソンランナー

痛みの原因を自分で考え、医者任せにしない

 まず痛みが生じて治療に行く前に考えてほしいのは、どんな練習をしたら痛くなるかです。この相談者であれば、インターバル、ビルドアップ、タイムトライアル、ダッシュといったように、いったいどのスピード練習をすると痛みが出るか。また、どんな風に走ると、どこにどんな痛みが生じるのかを、自分の口で医師に説明できるように分析しましょう。

 サブスリーを目指すレベルのランナーであれば、ただ「痛い」と言って医師任せにするのではなく、自分の体や走り方を理解しようとする意識は持っていたいもの。でなければ、もし痛みが治まったとしても、また同じ練習をすれば痛みが再発し、いつまでたっても、サブスリーに到達できるような練習はできません。

 文字だけのお悩み相談でもどかしいのは、私が相談者の実際の走り方を見られないことですが、走り方一つにしても、足首や足裏がどんな角度で着地をしているか、上体がどんなフォームになっているかなど、一人ひとり違います。スピードを上げると痛みが出るということは、思いきり力を入れた時にフォームや左右のバランスが崩れたり、足の着地の仕方に癖が表れたりしている可能性が考えられます。その原因を探るべく、シューズの裏の減り具合を確認し、足裏のどの位置で着地をし、膝が内向き、あるいは外向きになっているといった、自分の動きを確認して分析するのも一つの手です。

 もし、練習パートナーやご家族がいらっしゃるのであれば、普段からスピード練習の様子などをスマートフォンの録画機能を使って撮影してもらえれば、フォームを見ながら原因を分析することができます。お金はかかりますが、ランニング教室に通って専門の先生に見てもらうのもいいかもしれません。シューズを替えたり、フォームを改造したりするといった何かしらの対策につなげられます。

 タイムなどの数字ばかりに気を取られ、ノルマをこなすことやランニングアプリの指示通りに練習することばかりに意識が向くと、“自分の体を見る”ことを忘れがちになります。もっと自分の体と対話し、痛みが生じれば自分の体をチェックしてその原因を探る。アプリに合わせるのではなく、自分の体に練習を合わせることが、ケガを防ぐ上では重要です。

痛む部位に負担がかからないトレーニングを

 さて、ご質問の本題「どのような練習メニューを追加すればいいか」ですが、まず上体の筋肉を鍛えるトレーニングをお勧めします。腹筋などを含めた上体を鍛え、腕がしっかり振れるようになれば、腰から下の部位にかかる負荷を軽減できます。

脚の痛みが良くなったら、負荷のかかりにくいトレーニングから取り入れて。(C) lightpoet-123rf

 膝などに痛みが残っている時は、浮力で負荷がかかりにくい水中トレーニングも良いでしょう。例えば、プールで腕をしっかり振りながらウォーキングするトレーニングがあります。なるべく足を使わずに上半身を鍛えるには、脚にビート板を挟んで腕かきだけのクロールで泳ぐ練習でも上体は鍛えられます。走れない時は持久力が落ちますから、この練習なら呼吸器官もある程度、鍛えられるでしょう。

 膝の痛みがなくなってきたら、膝周りの筋肉を鍛えるといいでしょう。自重でのスクワットでもいいですし、階段の上り下りも効果的です。ウエイト機器を使ったレッグカールもいいでしょう。重りの負荷を上げてもし痛みが出てきたら、脚に力を入れた時に、屈伸した時の膝やつま先の向きが体に対して真っすぐ(平行)になっているかを確認しましょう。こんなところからも、負荷をかけて思いっきり脚に力を入れた時、あるいは回数を重ねて筋肉が疲労してきた時に、左右の脚のバランスの崩れや癖が表れるといった、痛みの原因が見えてくるかもしれません。

RELATED ARTICLES関連する記事

スポーツ・エクササイズカテゴリの記事

カテゴリ記事をもっと見る

FEATURES of THEMEテーマ別特集

  • 女性の「尿漏れ」「頻尿」には骨盤底筋トレーニングが効く!

    トイレに行く回数が多い、くしゃみをすると少し漏らしてしまう、突然尿意に襲われて我慢できない…。女性の尿の悩みは、「頻尿」や「尿漏れ(尿失禁)」が多いのが特徴だ。これらを改善するにはどうすればいいのだろうか?

  • 男性も無関係ではない骨粗鬆症、飲酒・喫煙・高血糖はリスク

    骨がスカスカになってもろくなり、骨折の危険性が増すのが「骨粗鬆症」だ。急速な高齢化に伴って患者数が増えており、日本骨粗鬆症学会などによると、日本における患者数は現在1300万人と推定されている。骨粗鬆症というと女性のイメージがあるが、男性の患者数は300万人と見られている。本特集では、骨粗鬆症が起きる仕組みから、気をつけたい生活習慣、そして骨を強くするための対策までを一挙に紹介する。

  • 「股関節」は全身の要! 股関節の状態が健康寿命を左右する

    自分の足で歩ける体を維持したいなら、筋肉はもちろん、体を支える骨とその骨同士をつなぐ関節の維持が極めて重要だ。特に上半身と下半身をつなぐ股関節は、人間の体の中で最も大きな関節で、体の中で最も酷使されている関節の一つ。股関節を維持できるかどうかが、「歩く力」の維持に重要となってくる。本特集では、股関節の基礎知識から健康の保ち方までを一挙に紹介する。

テーマ別特集をもっと見る

スポーツ・エクササイズSPORTS

記事一覧をもっと見る

ダイエット・食生活DIETARY HABITS

記事一覧をもっと見る

からだケアBODY CARE

記事一覧をもっと見る

医療・予防MEDICAL CARE

記事一覧をもっと見る

「日経Goodayマイドクター会員(有料)」に会員登録すると...

  • 1オリジナルの鍵つき記事鍵つき記事がすべて読める!
  • 2医療専門家に電話相談できる!(24時間365日)
  • 3信頼できる名医の受診をサポート!※連続して180日以上ご利用の方限定

お知らせINFORMATION

SNS

日経グッデイをフォローして、
最新情報をチェック!

RSS

人気記事ランキングRANKING

  • 現在
  • 週間
  • 月間

NIKKEICopyright © 2019 Nikkei Inc. All rights reserved.