トレイルランでは登山者の邪魔にならないように走る
少しレベルの高い話になると、山の中を走り抜けるトレイルランニングは、さらにマナーが大事になります。狭い山道を駆け抜けていくわけですから、気をつけないとペースを守って登っている登山者と接触してしまいます。山を走る練習をする時は、「走る時間帯」「走る人数」「走るスピードやコース」などを十分に考慮し、登山者の邪魔にならないように心掛けることが、事故の防止につな/がります。
山はもちろん、公道なども含め、全てのコースがランナーのためにあると思ってはいけないのです。周囲の人に迷惑をかけるランナーがいるために、最近はトレイルランニングの大会の開催を見直す事態も発生しているようです。
海外では、日本よりもランニングを文化ととらえてマナーの遵守が徹底されている国もあります。例えば、私が合宿をしていた米国・ボルダーのトレイルランニングができる山には、走る際のルールがきちんと決められており、パトロール担当もいます。あるとき世界を縦断するウォーキング団体がボルダーにやってきて、大人数で山を歩こうとしましたが、人数制限をするように伝えられましたし、歩き方も一列で歩くなどの指導がなされていました。誰もが気持ちよく過ごし、事故を防ぐためのルールは日本にも定着させた方がいいかと思います。
1人のマナー違反が、ランニングのイメージを悪くする
1人でもマナーが悪いランナーがいれば、嫌な思いをする人は必ずいるでしょう。個人の問題がランニング全体の問題となり、「ランナーはマナーがなっていない!」というイメージを世間に植え付けてしまうかもしれません。そうするとランニングという文化は育たなくなる。そういう事態には絶対になってほしくないのです。
交通ルールを守り、歩行者や周りの迷惑にならないように走り、歩いている人を抜くときは、「すみません、通ります」と一言、声をかける。それだけの気遣いができれば、誰も気分を害することはないはずです。
- 次ページ
- マラソン大会は全面禁煙に!