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有森裕子の「Coolランニング」

有森裕子が注目する、ロンドン世界陸上の見どころ

トップランナーの暑さ対策やコースの位置取りなどをチェックしてみよう

 有森裕子=元マラソンランナー

 男子は何と言っても、市民ランナーの川内選手がどこまで世界で通用するかが見どころの一つだと思います。彼は海外での経験も豊富ですし、練習代わりにレースを走るようなフィジカル面での強さもある。今大会を世界陸上の集大成にしたいというコメントが出ていましたが、プレッシャーはさほどないでしょうから、過剰に緊張することもないでしょう。外国人選手との持ちタイムの差はあるものの、落ち着いて走れば上位入賞、6位以内は狙えるのではないでしょうか。

 ただし、川内選手は自ら「暑さは苦手」と公言しています。今の時期のロンドンは東京に比べると涼しいと聞いていますが、夏の気温の上昇をどうはねのける走りをするか、見てみたいところです。

 また、ロンドンは周回コースなので、最初の1周よりも次の1周がどれぐらい速くなったか、あるいは遅くなったか、といったタイムの変化も自身で把握しやすく、走るリズムやペースが作りやすいという特徴があります。そうした条件下では、トラックレースに強いスピードランナーが有利になる傾向になります。外国人選手がビルドアップで徐々にスピードを上げていった時、そのレース展開にどこまで川内選手はじめ、日本人選手が対応し、粘り強さを見せられるかがカギになるでしょう。

スタート地点のタワーブリッジ。テムズ川沿いの道を走ってビッグベンで折り返す、中心街も交えた10kmの周回コースを4周する。(C)sborisov-123rf

コース経験者と未経験者との“挑み方”を見比べる

 今回のマラソンでは、ベテランと若手がそれぞれどんなレース展開を見せるか、その違いに注目しても面白いと思います。安定感のある男子の中本選手と、粘り強さが持ち味の女子の重友選手はロンドン五輪でマラソンを走った経験のあるベテラン組。今回の世界陸上のマラソンコースは、スタート地点など、一部が五輪の時とは異なるようですが、石畳の路面やカーブが多い街中、川沿いなどを走った感触は覚えているはずです。同じコースを走った経験があるということは、初めてそのコースを走る人よりも、位置取りやペース配分などの攻略がしやすいという強みがあるので、中本選手や重友選手は有利かもしれません。

 逆を言えば、初出場の選手には、怖いもの知らずのレース展開が期待できる“初めてならでは強さ”というものもあり、観戦者にとってはその両方を楽しめる大会になるのではないでしょうか。また、世界レベルの大会でも、コースの位置取りや暑さ対策といったものは、市民ランナーにも役立つものもあるので、チェックしてみるといいかもしれません。

 手の振りが少ない“忍者走り”と呼ばれる走法が話題の安藤選手は、初マラソンで2時間21分台という好タイムをたたき出した選手です。同じ所属先で淡々と走り切るタイプの清田選手と一緒に、ぜひ“初めての強み”を良い具合にプラスに変えてもらいたいと思います。プレッシャーを感じる必要もないでしょうから、これまで経験したことのない大舞台で失敗を恐れず、どんなアクシデントも受け入れる順応性を見せてほしいと期待しています。

 安藤選手、清田選手ともに23歳なので、この大会が競技人生の最終目標になるという年齢でもなく、2020年の東京五輪を見据えているはずです。そうした意味でも、この世界陸上では大舞台でどこまで戦えるか、果敢に攻める気持ちで挑むぐらいが、いい経験になると思います。女子のほうが男子よりも世界とのタイムの差は小さいので、メダルを獲るチャンスはあると思います。

 近年の世界陸上や五輪において、日本のマラソン界はなかなか満足できる結果を出せていません。きっともやもやしているマラソンファンのみなさんも多いことでしょう。だからこそ今回のロンドン大会では、新人とベテランの両者ともにそれぞれよい部分を発揮したレース展開をしてもらいたいと思っています。

 私自身、見終わった後に「見応えのあるレースだったなあ」と言いたいですし、レースの翌日、選手の力走に感動した市民ランナーが楽しそうに走っている光景がたくさん見られればうれしいなと思います。彼らの活躍はほかのマラソンランナーの刺激となり、マラソン界全体の底上げに貢献するはずです。ぜひ3年後の東京五輪につながる走りをしてほしいですね。

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