ストイックな人ほどLSDやマラニックを!
1人で何時間も走り続けることへのハードルが高いと感じる人は、こうした大会を探して参加してみるのもいいかもしれません。大勢の中に混じって走れば、長時間走るつらさも軽減されるはずです。
また、家族や友人らを誘って、芝生がある広い公園などで、自分たち流のマラニックを実行してもいいでしょう。温泉などをゴールにすれば、そこで汗を流すことができますし、楽しみも倍になります。走る際は、軽量素材で作られたランニングリュックなどがあるので、それにドリンクや軽食、飴、帰りの電車で汗冷えしないような着替えなどを入れていくといいと思います。
もちろんこれからのシーズン、炎天下での長時間のランニングは危険にもつながります。午前中の涼しい時間からスタートしたり、休憩をこまめにとったりするなどの調整はしましょう。帽子や日焼け止め、サングラス、虫除けなどの用意も忘れずに。
マラソンは自分の限界に挑戦できる素晴らしいスポーツです。しかしストイックにそればかりにとらわれすぎると、タイムが伸びなくなった時やケガをした時に精神的なダメージを受けます。初心者だけでなく、中上級者もこうした「LSD」や「マラニック」を取り入れ、筋肉をほぐし、気分転換を試みたり、ランニングそのものや仲間や家族との楽しむ時間にしてみてはいかがでしょうか。

2 心肺機能の高まりなどで疲れにくい体になる
3 長い距離を走ることへの自信がつく
(まとめ:高島三幸=ライター)
元マラソンランナー

1966年岡山県生まれ。バルセロナ五輪(1992年)の女子マラソンで銀メダルを、アトランタ五輪(96年)でも銅メダルを獲得。2大会連続のメダル獲得という重圧や故障に打ち勝ち、レース後に残した「自分で自分をほめたい」という言葉は、その年の流行語大賞となった。市民マラソン「東京マラソン2007」でプロマラソンランナーを引退。2010年6月、国際オリンピック委員会(IOC)女性スポーツ賞を日本人として初めて受賞した。