競技として一番なじみがある「オリンピック・ディスタンス」(スイム1.5km・バイク40km・ラン10km、合計51.5km)のほか、「アイアンマン・ディスタンス」(スイム3.8km・バイク180km・ラン42.195km、合計約226km)のようなまさに“鉄人級”のレースもありますが、一方で、比較的取り組みやすい、スイム0.75km、バイク20km、ラン5kmの「スプリント・ディスタンス」と呼ばれるレースもあります。それよりも短い「スーパー・スプリント」なら、スイム0.4km、バイク10km、ラン2.5kmです。
3種目ではなく、「アクアスロン」(ランとスイム)、「デュアスロン」(ランとバイク)といった、2種目を組み合わせた大会もあります。夏場はスイムが入った「アクアスロン」の方がお薦めですが、こうした大会に参加して、スイムやバイクといった、「走る」以外のトレーニングを取り入れれば、体のいろいろな部位がバランスよく鍛えられるでしょう。仲間と遊び感覚で参加するぐらいの気持ちで挑めば、楽しめるはずです。
初めて参加する場合は、ウエットスーツや自転車をそろえなくてはいけない、というハードルはありますが、大会によってはレンタルサービスを行っているところもありますので、利用してみてはいかがでしょうか。
夏でも雨の中を走るのはオススメしません
夏場、市民ランナーでときどき見かけるのが、「冷たい雨がシャワーのようでキモチいい~」と、わざわざ雨の中を走る人。もちろんプロのランナーは、雨天でもレースは決行されるので、雨であろうが練習します。特に私は人一倍、雨の中で練習した方かもしれません。「周りのランナーが苦手で嫌がることは得意にしてやろう」という考えでしたから、そんな練習をしているうちに、「雨にも強い」選手になりました。
しかし、市民ランナーがそこまでやる必要はありません。濡れたまま長時間走り続けると、体の芯まで冷やしてしまい筋肉も硬くなります。体温は奪われ、汗は出ず、雨に濡れるほど、翌日は体がだるくなる。こうした嫌な疲労感は休んでもなかなか取りにくいものです。
どうしても雨の中を走りたいという人は、練習後にゆっくりお風呂につかって汗を出し、体の芯から温めるようなケアを忘れないようにしましょう。お風呂上がりにストレッチを行い、翌日は補強運動など軽めのトレーニングで疲れを残さないように体をほぐしてください。…でも、できるなら雨の日のランニングは避けた方がいいですね。
サマータイムに切り替え、「早朝ラン」を開始!
夏場は練習の時間帯も大事です。休日、炎天下を走っている人がいますが、熱中症になる危険もあるので、気持ちよく走れる涼しい時間帯を選んでください。夜もいいのですが、昼の余熱が冷めるのを待っていると、夕食の時間が遅くなり、睡眠時間を妨げることになりかねません。眠いかもしれませんが、いっそのことサマータイムに切り替えるぐらいの気持ちで、朝5時、6時の「早朝ラン」に挑戦してみてはいかがでしょうか。
休日、少し長めの距離を走り込む練習をしてみたいという人は、照り返しが強いアスファルトではなく、川縁や緑道、木陰が多い公園の土の上を走るなど、環境を変えてみるといいかもしれません。調子が悪くなったらいつでもやめやすい、公園の周回コースもお薦めです。

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