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有森裕子の「Coolランニング」

有森裕子 甲子園・総体中止に思う「生きていればチャンスはある」

高校時代、陸上引退を思いとどまらせた恩師の言葉

 有森裕子=元マラソンランナー

生きていれば、チャンスはある

 私にとって、高校時代も大学時代も、人生の通過点の一つに過ぎませんでした。ただ、その通過点で、高校の恩師や小出監督などの素晴らしい方々との出会いがあり、支えていただいたからこそ、五輪のメダルまでたどり着けたことは言うまでもありません。

 学生時代は「今、目の前にある目標」がすべてですから、今回のさまざまな大会の中止で絶望を感じてしまう気持ちはよく分かります。誰のせいでもなく、どうすることもできず、ただあきらめるしかない…。そんな非情な現実を受け入れるのはつらいことだと思います。ただ「元気を出して」と言っても無理でしょう。

 それでも、彼ら・彼女らには、時間はかかっても、また新たな一歩を踏み出してほしいと願っています。だって、私たちは生きているのですから。自らの未知なる可能性にもっとチャレンジしたい、という思いがあるのなら、私が経験してきたように、これから先にもチャンスはあります。この先競技を続ける人も、そうでない人も、チャレンジしたいという気持ちは死ぬまで消さないでほしい。甲子園やインターハイを目指してたゆまぬ努力を重ねてきた彼ら・彼女らだからこそ、どんな道に進んでもがんばれるでしょうし、応援し、サポートしてくれる人はたくさんいるはずです。

多くのサポートがあって試合ができる そのことを伝える機会に

 夏の甲子園やインターハイに代わる、地域大会の実施を検討している都道府県もあるそうです。高校野球では、中止となった春の選抜高校野球大会に出場予定だった32校を招待し、甲子園球場で交流試合を開催することを決定しました。そうした代替大会も、多くの人の尽力と費用のサポートがあってこそ実現できるものです。もしこうした大会が開催されるなら、「自分たちが参加できる大会は、多くの人のサポートのもとで初めて開くことができる」ということが、しっかり学べるような機会になればいいなと思います。そして、指導者の方々には、高校3年生の私が恩師の言葉に救われたように、「君たちをずっと見ている」というメッセージを選手たちに伝えていただければうれしいです。

 陸上界では先日、東京五輪男子マラソン代表の大迫傑選手や、短距離の桐生祥秀選手、ハードルの寺田明日香選手が、インターハイが中止になり、目標を失ってしまった高校陸上選手を支援する活動を始めるというニュースを見ました。詳細はまだ分かりませんが、こうした現役選手たちのサポート活動は、生徒たちの励みになるでしょう。今後の活動に注目したいと思います。

(まとめ:高島三幸=ライター)

有森裕子(ありもり ゆうこ)さん
元マラソンランナー(五輪メダリスト)
有森裕子(ありもり ゆうこ)さん

1966年岡山県生まれ。バルセロナ五輪(1992年)の女子マラソンで銀メダルを、アトランタ五輪(96年)でも銅メダルを獲得。2大会連続のメダル獲得という重圧や故障に打ち勝ち、レース後に残した「自分で自分をほめたい」という言葉は、その年の流行語大賞となった。市民マラソン「東京マラソン2007」でプロマラソンランナーを引退。2010年6月、国際オリンピック委員会(IOC)女性スポーツ賞を日本人として初めて受賞した。公式Instagramアカウントはこちら

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