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有森裕子の「Coolランニング」

有森裕子 実は難しい、「マイペースで走る」ということ

レースでの順応性を鍛える「ウエーブ走」のススメ

 有森裕子=元マラソンランナー

暑い夏の練習に適したウエーブ走

 そんな“揺さぶり”に効く練習の1つが「ウエーブ走(変化走)」です。ウエーブ走とは、速く走る時間とスピードを抑えて走る時間を交互に繰り返しながら、ペースの上げ下げを行うトレーニングです。

 私の現役時代のトラック練習では、トータル6000mから10000mの距離でウエーブ走を行いました。2000mごとにスピードを変えますが、例えば最初の2000mは1km4分半のペースで入り、400mのジョギングで呼吸を整えます。次の2000mは1km3分40秒のスピードにまで上げて、再びジョギングで息を整えた後、1km4分ペースに落として2000mを走るといったイメージです。

 もちろんこれは私の現役時代の練習ですし、市民ランナーの皆さんは、もっと距離を縮めて設定してもいいと思います。ウエーブ走はこまめにペースを切り替えるので、自分でペースをコントロールする練習になりますし、設定スピードや距離を変えればスピードを磨くことはもちろん、持久力やスタミナを強化する練習にもなります。スピードを意識して速く走った後、スピードを落としてフォームを整えるように意識しながら走る練習にもなります。傾斜のついた坂道などを利用すれば、さらなる持久力の強化だけではなく、足腰の強化にもつながるでしょう。設定次第でさまざまなバリエーションのトレーニングが生まれます。

 これから暑い季節になれば、長時間の速いスピードでの練習は難しくなります。速いペースで走りつつ、呼吸をゆっくり落ち着かせてからペースを落として走ってみる。このメリハリを効かせた練習ならスピードとスタミナの両方を鍛えやすく、夏場でも続けやすい練習になると思います。

レースでの順応性を鍛える2つのポイント
1.さまざまな条件を想定した練習を行う
好きな練習ばかりでなく、スピード走、インターバルトレーニングなど、できるだけあらゆる練習を行い、走力のキャパシティを広げる。ロードだけではなく、土のグラウンドや芝生など、走る環境も変えてみる。

2.ウエーブ走でペースの切り替え力を身につける
速いスピードで走る時間、スピードを抑えて走る時間を交互に入れながら、ペースをこまめに変える練習を行うことで、自分でペース配分をコントロールできる力が養われる。 心拍数を極端に落としすぎず上げすぎず、ペースを切り替えて走り続けることで、持久力の底上げにもなる。
有森裕子さんへの相談募集!

有森裕子さんに、あなたのランニングにまつわる悩みや疑問を相談してみませんか? 本連載の中で有森さんがお答えします。 ご記入はこちらから!↓(調査期限:2017年6月30日)
https://aida.nikkeibp.co.jp/Q/C028557p9.html

(まとめ:高島三幸=ライター)

有森裕子(ありもり ゆうこ)さん
元マラソンランナー
有森裕子(ありもり ゆうこ)さん

1966年岡山県生まれ。バルセロナ五輪(1992年)の女子マラソンで銀メダルを、アトランタ五輪(96年)でも銅メダルを獲得。2大会連続のメダル獲得という重圧や故障に打ち勝ち、レース後に残した「自分で自分をほめたい」という言葉は、その年の流行語大賞となった。市民マラソン「東京マラソン2007」でプロマラソンランナーを引退。2010年6月、国際オリンピック委員会(IOC)女性スポーツ賞を日本人として初めて受賞した。

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