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有森裕子の「Coolランニング」

有森裕子 実は難しい、「マイペースで走る」ということ

レースでの順応性を鍛える「ウエーブ走」のススメ

 有森裕子=元マラソンランナー

レースでの“想定外”を乗り越える順応性を鍛えよう

 マイペースで走れる人は何が違うのでしょうか。一言で言えば、順応性に長けていることだと私は思います。どんな状況でも慌てず順応できる力こそが、自分のペースを保つことにつながるのです。

 では、順応性を高めるにはどうすればいいか。それはトレーニングで鍛えるしかありません。自分の調子や気分に合わせて好きなように練習を組めることは市民ランナーの特権であり、ランニングというスポーツの魅力でもあります。しかしそれは、順応性を鍛えにくいという一面も併せ持ちます。

 トップレベルのランナーたちは、どんなレースでもタイムが出せるように、あらゆる条件を想定した練習を行います。雨天でも強風の中でも走りますし、疲労がたまっている中で追い込むような厳しい練習もこなします。当然ですが、好き嫌いで練習内容を選ぶのではなく、どんな環境にも順応して勝てるように、あるいはタイムを狙えるようにさまざまなトレーニングを監督やコーチが考えて指示しているのです。

 そうしてあらゆる条件のもと、あらゆる強度のトレーニングを積んだ選手ほど、レースの流れに臨機応変に適応する力が高まり、 “想定外”の出来事に対応できるようになります。勝負でいう「マイペース」とは、必ずしも自分が決めた速さを守って走ることではありません。その時々の状況に合わせてペースを自分で作り出せる選手こそが、レースで勝てる選手なのです。

勝負に強いランナーは、その時々の状況に合わせてペースを自分で作り出すことができます。(c) Rui Santos-123rf

 五輪や世界選手権のマラソンレースでは、“揺さぶり”を仕掛け、わざとペースを乱すような戦略を取るシーンを目にすることがあります。特にケニアやエチオピアといった走力が高い選手が集まる国ほど、チーム単位でペースを上げ下げするなどの揺さぶりを仕掛けてきます。

 日本人はそんな外国人選手に比べてスピードが劣りますので、揺さぶりに対応できる能力が低い。そこで「自分の走りに徹しよう」としても、先頭集団に置いていかれてしまうと、結局、追いつけずに勝負に負けてしまうこともあります。大事なのは、揺さぶりをかけられるような場面を想定した練習を積んでいるか否か。揺さぶりをかけられても、動揺せずに離されずについていけるよう、スピードや持久力といった基礎力を鍛え続けることが大事なのです。あらゆる状況を考えながらトレーニングを積むことは勝負強さにもつながります。

 市民ランナーの皆さんも、少しでもタイムを伸ばしたい、大会で上位に入りたいと考えているランニング中上級者の方は、自分の走りのキャパシティを広げるために、あえてさまざまなバリエーションのトレーニングに取り組んでみるといいと思います。

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