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有森裕子の「Coolランニング」

有森裕子 遭難しかけて学んだトレイルランニングの効用と注意点

ゆっくり走って全身の筋肉をほぐし、バランス感覚を鍛えよう

 有森裕子=元マラソンランナー

トレイルランニングは体をほぐす「ほぐしラン」

 現役時代、私にとってトレイルランニングの位置づけは、フルマラソン出場に向けた初期段階の「脚作りのための練習」と、足や体の疲れをほぐす「積極的休養」でした。「休養のために山道を走るの?」と、これまた驚かれるかもしれませんが、激しい練習をした後にゆるやかな傾斜の山道をゆっくりとリラックスしながら走ると、いつもの練習ではあまり使わない筋肉や神経を使い、脚はもちろん体全体がほぐれるのです。この「ほぐしラン」は、普段、アスファルトなどの硬いロードをたくさん走っている人にとって、筋肉の疲労を取り除くのに有効だと思います。

 さらにトレイルランの効用を挙げると、「バランス感覚を養える」ことです。フラットな平地とは違い、山道には、窪みや盛り上がった土などの凸凹があり、張り出した木の根っこや石といった障害物もあります。上りや下りはもちろん、くねくねと曲がりくねっている道もあるでしょう。一歩一歩に注意を払って、地面の状態に合わせて脚の運びをコントロールしなければなりません。凹凸があれば、着地する足裏の部位もその都度異なります。体全体を右へ左へと傾けながら、バランスを保つために重心を移動させていく。体全体の神経を研ぎ澄ませて、体幹はもちろん、いろいろな筋肉を使うので、バランスよく強化することができます

“不整地ラン”では人間本来の五感が研ぎ澄まされる

木の根っこなどの障害物を瞬時に認識し、着地点を見極めていく。(©ammentorp -123rf)

 私は現役時代、トレイルランが大好きで、特に木の根っこや石などの障害物がある下り坂を走るのが得意でした。瞬時に着地点を見極めながら、接地時間を極力短くして、リズミカルにタタタタタターと下りていく。転びそうになった時に即座に体を立て直すような反射神経も、この下り坂で磨かれたと思います。

 初心者の人は、より集中し、いつも使わない筋肉を使うので、最初は疲労が残りやすく、筋肉痛にもなるでしょう。でも慣れてくれば、地面に対してどう反応すればいいのか、体が覚えてくれますし、安定しない道を走ることで、普段の生活や練習ではあまり使わない、人間が本来持つ五感が研ぎ澄まされていきます。

 ポイントは「ゆっくりと走る」こと。トレイルランに慣れていない人は、スピードを上げすぎると、足首を捻挫したり、障害物にひっかかって転倒したりする恐れがあるので、自分が心地よいと思うペースで集中して走りましょう。

 特に帰り道に多い下り坂は、自然とスピードが上がり、疲労が溜まって集中力が途切れがちになるので、十分な注意が必要です。疲れから脚の運びが悪くなってきたら、ウォーキングに変えたり、木陰で休んだりしてみてください。

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