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有森裕子の「Coolランニング」

有森裕子 銃撃事件に沈む思い出の街、米ボールダーを支援したい

社会におけるスポーツの意義とは、人間同士のつながりを生みだすこと

 有森裕子=元マラソンランナー

2大会連続でメダルを取れる力を育ててくれた街

 私も1992年に、このボールダーの地で五輪への道のりをスタートしました。合宿は過酷でつらいものでしたが、バルセロナ(1992年)、アトランタ(1996年)と2大会連続でメダルが獲得できたのは、日本でトレーニングを積んでつけた力もありますが、間違いなくボールダーでのトレーニングもその一端を担っています。

 この街の素晴らしさは、高地トレーニングに適した環境だけではありません。さわやかな風が吹き、どこまでも高い青空。その空の下、走る街並みの美しさや、住民の方々からの気さくな声かけや笑顔。そして、心身ともに限界まで追い込んでもすべてを包み込んでくれる大自然。これらのすべてが、厳しいトレーニングで疲れた心身を癒やし、エネルギーを与えてくれました。その自然の素晴らしさもさることながら、トレーニング施設も充実しており、街の東西南北すべてのエリアに総合スポーツ施設があります。治安も良く、海外から訪れた人たちも生活しやすい街なのです。

ボールダーは、外国から訪れた滞在者も生活しやすい環境が整った街です。(写真提供:株式会社アニモ)

 そんな素敵な街で起きた悲劇。事件のあったスーパーは、私の現役時代から利用していた店舗であり、日の丸をつけた日本人選手たちも多数通っていたなじみのある場所です。だからこそ、今回の痛ましい事件の一報にただただ驚き、深い悲しみに覆われました。

元の安全な街に戻るように 広がる支援の輪

 長年日本の長距離選手たちを支えてきてくれたこの街への感謝と、今回の事件で亡くなられた方々への追悼のため、そして悲しみに沈むこの街の復興を支援するため、4月20日から「BoulderStrong,Japan」という名称のクラウドファンディングを立ち上げました。

 きっかけは、私が初めてボールダーで合宿をしたときにコーディネートをしてもらったエージェントであり、友人でもある、ボルダーウエーブ代表ブレンダン・ライリーさんからの呼びかけでした。私もブレンダンさんにはたくさんお世話になり、彼のおかげで安心して高地トレーニングに集中することができました。そんなブレンダンさんの呼びかけにいち早く反応したのが、共通の友人である東京マラソンレースディレクターの早野忠昭さんです。

 早野さんは、1993年にボールダーにマネジメントオフィスを立ち上げ、マネージャーとして日本の実業団選手をサポートしてきてくれた人でもあります。早野さんが声を上げてくださり、今回私も一緒に代表発起人を務めることになり、高橋尚子さん、野口みずきさんなど元五輪選手や実業団の監督が発起人として参加することになりました。また、日本だけでなく、ボールダーでトレーニングをしたことのある世界各国のランナーの呼びかけで犠牲者とその家族を支える基金が設立されるなど、自分たちを育ててくれた街や人々への支援の輪は広がっています。

 クラウドファンディングで集まったお金は、ブレンダンさんを介して、現地の「Community Foundation Boulder County」が運営する「Boulder County Crisis Fund」に寄付します。治安の維持・回復や被害者家族の生活の支援、セラピー支援などに役立てていただければと思っています。おかげさまで、既に目標金額である100万円に到達しましたが、5月末まで継続予定です。コロナ禍の大変なときですが、賛同いただける方はご協力いただければうれしいです。

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