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有森裕子の「Coolランニング」

有森裕子 私の陸上人生を支えてくれた手帳

自分の心身と対話できる、ランニング日誌のススメ

 有森裕子=元マラソンランナー

“心の声”を吐き出した手帳が、いつも支えになってくれた

 書くことの最大の効用は、何よりも「自分と対話できること」です。書くことによって自分の中でモヤモヤしていた考えや気持ちが整理され、体だけでなく、心の状態も把握できます。書かれている内容はもちろんですが、書きなぐっているような字のときは、体が疲れていたり、心が荒れていたりすることの表れ。それはランニングだけでなく、仕事やプライベートに原因があるのかもしれません。

 そうしたことが自覚できると、「仕事で精神的に疲れているので、今週は無理して追い込まずに、気持ちよくゆっくり走ろう」など、練習メニューを調整できます。体調を管理するうえでも、書き残すという作業は大きな効果をもたらすのです。

 現役時代の私は、うれしかったことはもちろん、イライラして頭にきたこと、悔しかったこと、弱音、グチなども素直に何でも手帳に書いていました。1996年のアトランタ五輪の選考で代表に選ばれるかどうか不安な時期が続いた際も、そのときのマスコミが騒いでいた状況や、正直な気持ちを書いていました。

 「あきらめるな!」「しっかりしろ! 私」といった自分を叱咤激励する言葉も残っています。ケガで走れない日が続いてくじけそうになったこともありましたが、“心の声”を吐き出して書き記した手帳が、いつも支えになってくれていました

1992年、バルセロナ五輪前の日誌。心に響いた言葉や自分への叱咤激励も書き込み、自分自身と対話していた。
[画像のクリックで拡大表示]

 皆さんも、ランニングライフをさらに豊かなものにするためにも、日誌を書いてみませんか? 日々忙しいでしょうから、細かく書く必要はありません。最初は寝る前にその日の練習メニューを記録し、一言感想を添えるだけでもいいでしょう。そこには何か気づきがあるはずです。自分の身体と対話する癖を身につけることが、ケガを防ぎ、健康で楽しくランニングを続けられる1つの方法だと思います。

(まとめ:高島三幸=ライター)

有森裕子(ありもり ゆうこ)さん
元マラソンランナー
有森裕子(ありもり ゆうこ)さん

1966年岡山県生まれ。バルセロナ五輪(1992年)の女子マラソンで銀メダルを、アトランタ五輪(96年)でも銅メダルを獲得。2大会連続のメダル獲得という重圧や故障に打ち勝ち、レース後に残した「自分で自分をほめたい」という言葉は、その年の流行語大賞となった。市民マラソン「東京マラソン2007」でプロマラソンランナーを引退。2010年6月、国際オリンピック委員会(IOC)女性スポーツ賞を日本人として初めて受賞した。

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