日本経済新聞 関連サイト

ようこそ ゲスト様

日経 Gooday

ホーム  > スポーツ・エクササイズ  > 有森裕子の「Coolランニング」  > マラソンメダリストが重視する「ウォーキングで脚づくり」  > 2ページ
印刷

有森裕子の「Coolランニング」

マラソンメダリストが重視する「ウォーキングで脚づくり」

「いきなり走る」はNG! はやる気持ちをぐっと我慢

 有森裕子=元マラソンランナー

 例えば、「試着の時は足にぴったり!」だったシューズも、足に馴染んでいる状態ではありません。そんな状態で突然走り始めると、指先やかかとなど、足と靴との摩擦が生じた部分に痛みを覚えることがあります。それを防ぐためにも、走り始める前にまず、シューズを足に馴染ませる時間、つまり「ウォーキング」の時間を設けてほしいのです。このウォーキングは、靴と足を馴染ませるだけでなく、ランニングのための体づくりとして有効です。

五輪に挑むための最初の練習は「ウォーキング」

 若い年代の方ほど、「ウォーキングなんて辛気くさい…」「お年寄りの方向きの運動じゃないの?」と思われるかもしれません。しかし、私は現役時代の頃、ウォーキングをとても大切にしていました。足底筋膜炎で足底の軟骨を除去する手術をした後、まずは歩くことからリハビリを始めました。5時間ほど歩くとひどい筋肉痛を伴い、ウォーキングは全身運動なのだとあらためて実感しました。

 オリンピックも含め、マラソンの試合に挑む前には、海外で4カ月かけて準備しますが、その最初の練習はいつも「ウォーキング」でした。もちろん、実業団選手ですから普段からそれなりの距離を走り込み、ある程度の土台はできています。しかし、マラソン練習は、普段の練習とは異なり、自分を極限まで追い込む過酷なもの。その過酷な練習を乗り越え、本番までコンディションを崩さないためにも、走る基盤となるウォーキングは大切なトレーニングなのです。

 私が練習の本拠地としていた米国・コロラド州のボルダーは、「ランナーの聖地」と呼ばれるほど、様々な練習ルートがあります。自然が豊かで、緑の中を歩いているだけで清々しい気分を味わえます。山道もありますから、足腰や心肺機能にある程度の負荷もかけられる。そんな環境の中を、私は7~8時間歩くことから始めていました。

 姿勢を正し、腕を振り、足裏でしっかり地面を踏み込んで歩き続ける。汗をいっぱいかきますし、体全体が鍛えられ、ウォーキングといえどもかなりの練習量です。何よりも私にとってこのウォーキングの時間は、「これからフルマラソンに挑むんだ」と覚悟するための“スイッチ”になっていたのかもしれません。

普段の生活の中で歩く時間を作る

1日にトータル1時間歩くことを目標に。(©auremar -123rf)

 もちろん、ランニング初心者の方に何時間も歩いてくださいとは言いません。でも、プロのランナーでさえも重視している「ウォーキング」ですから、これから走り始める市民ランナーの方こそ、長くランニングを楽しむために“走るための順番”を軽視せず、まずは、“歩くことを習慣化する”ことから始めてほしいのです。

 可能なら毎日1時間、ウォーキングの時間が取れればいいですが、多忙な中で時間を作り出すのは簡単ではありません。普段の生活の中で、いつも降りる駅から1駅前で降りて歩いたり、エレベーターやエスカレーターではなく階段を上り下りしたり、ランチを食べに行くときもいつもより遠いレストランを利用したりするなど、1日の中でトータル1時間歩くような生活を送ってみてはいかがでしょうか。1週間、2週間と続けていくうちに、駅の階段の上り下りが楽になっていることに気づきます。それは、走るための土台が着実にできているという証拠なのです。

RELATED ARTICLES関連する記事

スポーツ・エクササイズカテゴリの記事

カテゴリ記事をもっと見る

FEATURES of THEMEテーマ別特集

  • 青魚のDHAやEPAで、血管を若返らせて、メタボも抑制!

    サバ、イワシなどの「青魚」の健康効果が注目されている。青魚にたっぷり含まれるDHAやEPAは、血管を若返らせ、メタボを抑制したり、認知症のリスクを下げる効果も期待できる。手軽に食べられる「サバ缶」や「イワシ缶」も人気で、カルシウムもしっかりとれるため、骨粗鬆症の予防にもなる。

  • 老化を左右する血管! 若返りのポイントは?

    体の中に縦横無尽に張り巡らされた「血管」をよい状態に保つことは、健康を維持するため、そして老化を防ぐために極めて重要だ。では、強い血管をキープし、老化した血管を若返らせるには、何をすればいいのだろうか。本特集では、2万例を超える心臓・血管手術を手がけてきたスペシャリストに、血管の若さを維持する秘訣と、血管を強くする運動法・食事法を聞いていく。

  • つらい「肩こり」は動的ストレッチで解消!

    肩こりの原因の大半は、生活習慣。すなわち、不自然な姿勢で過ごすことや、たとえ良い姿勢であっても長時間続けてしまうことが、首や背中の筋肉を緊張させ、筋疲労を引き起こす。この記事では、肩こりに関する記事の中から重要ポイントをピックアップして、肩こりの解消方法をコンパクトに紹介していく。

テーマ別特集をもっと見る

スポーツ・エクササイズSPORTS

記事一覧をもっと見る

ダイエット・食生活DIETARY HABITS

記事一覧をもっと見る

からだケアBODY CARE

記事一覧をもっと見る

医療・予防MEDICAL CARE

記事一覧をもっと見る

「日経Goodayマイドクター会員(有料)」に会員登録すると...

  • 1オリジナルの鍵つき記事鍵つき記事がすべて読める!
  • 2医療専門家に電話相談できる!(24時間365日)
  • 3信頼できる名医の受診をサポート!※連続して180日以上ご利用の方限定

お知らせINFORMATION

SNS

日経グッデイをフォローして、
最新情報をチェック!

RSS

人気記事ランキングRANKING

  • 現在
  • 週間
  • 月間

NIKKEICopyright © 2019 Nikkei Inc. All rights reserved.