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有森裕子の「Coolランニング」

有森裕子 マラソン五輪代表決定! 最後の1枠をかけた熱い戦いに感銘

MGC選考システムがもたらしたトップランナーの底上げ

 有森裕子=元マラソンランナー

 この1カ月で、世の中の情勢が一変しました。スポーツ界でも、新型コロナウイルスの感染拡大防止策として、大相撲春場所やプロ野球のオープン戦が無観客で開催され、サッカーJリーグの公式戦再開やプロ野球開幕は延期、春のセンバツ高校野球は中止が決まりました(3月12日現在)。

新型コロナウイルスの問題はスポーツ界も直撃

 私が理事長を務める「スペシャルオリンピックス日本」(*1)でも、2月21~23日に北海道で開催予定だった冬季全国大会を中止しました。2021年に開かれる世界大会の選考会も兼ねており、約600人の選手が参加予定でしたが、選手や大会関係者の安全と感染拡大防止を最優先に考えた決断でした。私個人の活動でも、講演や、ゲストとして参加予定だったマラソン大会が次々と中止になるなど、スポーツ界にも至るところで波紋が広がっています。

 夏の東京五輪が予定通りに開催されるどうかも、先行きが不透明です。国際オリンピック委員会(IOC)は3月3日に、世界保健機関(WHO)や日本政府、大会組織委員会などと連携し、予定通り東京五輪を開催することを前提に準備する意向を示しました。しかし、新型コロナウイルスは人命に関わる問題であり、日本だけではなく世界規模で感染が拡大している中、このまま東京五輪を開催することを危ぶむ声、心配する声も上がっているのも事実です。

 このような状況下で、夢の五輪に向けてトレーニングを積んでいる選手たちの気持ちを思うと、集中しきれないのではと胸が痛みます。読者の皆さんも不安が募る日々が続いていると思います。1日も早く事態が収束することを祈るばかりです。

マラソン代表最後の1枠をめぐる戦いで、男女ともに素晴らしい結果

 そんな中、3月1日に開催された東京マラソン、そして3月8日に開催された名古屋ウィメンズマラソンでは、素晴らしい結果が生まれ、沈んでいた世間の空気を一気に明るくしてくれました。いずれも東京五輪マラソン出場最後の1枠をかけたMGC(マラソングランドチャンピオンシップ)ファイナルチャレンジの対象レースで、男子は、東京マラソンに出場した大迫傑選手(ナイキ)が、自らが持つ日本記録を更新する2時間5分29秒でゴール。女子は、名古屋ウィメンズマラソンで、一山麻緒選手(ワコール)が2時間20分29秒という見事なタイムで優勝し、代表の座をつかみました。

東京マラソン2020で、自らの持つ日本記録を更新する2時間5分29秒でゴールした大迫傑選手。東京五輪マラソン男子代表に内定した。(写真:松尾/アフロスポーツ)
東京マラソン2020で、自らの持つ日本記録を更新する2時間5分29秒でゴールした大迫傑選手。東京五輪マラソン男子代表に内定した。(写真:松尾/アフロスポーツ)
*1 スペシャルオリンピックス日本:知的障がいのある人たちに、さまざまなスポーツトレーニングとその成果発表の場である競技会を提供する国際組織「スペシャルオリンピックス」の、日本国内での活動を推進する非営利組織。

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