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有森裕子の「Coolランニング」

有森裕子 レース当日にやってはいけない5つのこと

情報に振り回されず、自分流にアレンジする力をつけよう

 有森裕子=元マラソンランナー

初心者はレース序盤をウォーミングアップと考えよう

ウォームアップをやりすぎるとスタート前に疲れてしまう。初心者は特に注意。(©rubengl-123rf)
ウォームアップをやりすぎるとスタート前に疲れてしまう。初心者は特に注意。(©rubengl-123rf)

 3つ目は「ウォーミングアップをやりすぎない」こと。初マラソンの方は特に、現地に行くと興奮しがちです。張り切っていつも以上にウォーミングアップをやりすぎてしまう…。その気持ちは分かりますが、やりすぎると本番前から疲れてしまいます。

 宿泊先からスタート地点までをウォーミングアップ代わりに走っていく人もいますが、ウォーミングアップにしては距離が長過ぎないか、アップダウンが多く脚に負担がかかる道のりではないかなど、事前に確認した方がいいでしょう。時間に余裕があるなら、しっかり腕を振って早歩きするなどのウォーキングで、宿から現地に向かうのも立派なウォーミングアップの1つです。

 タイムが目的となるサブスリー(フルマラソンを3時間未満で走ること)やサブフォー(同じく4時間未満で走ること)のランナーはともかく、初心者の人は、スタート前は体操やストレッチなどにとどめ、レースの序盤をウォーミングアップ代わりにするぐらいの気持ちで走り始めることをお勧めします。

 理想は、自分よりほんの少し速めのランナーを見つけてその後をついていくこと。疲れてきたら、さらに少しスピードが遅めのランナーについていくなど、自分の調子に合わせたベストな“ペースランナー”を見つけられればいいですね。

 初心者は、気持ちが舞い上がって最初から飛ばしてしまいがちです。先日行われた東京マラソンの走り始めは、気持ちのいい下り坂。調子に乗ってついついスピードを上げてしまうと、下り坂が終わったとたんに平坦な道が上り坂に感じるような疲労感を味わいます。どのレースでも、可能なら事前にコースの下見を行ってほしいですね。車でコースを回って、坂道など、気になるポイントでは車から降りて、自分の足で高低差を確かめることができればベストです。

 私もアトランタ五輪では事前に3回に分けて試走し、コースの高低差などを確認しました。ソウル五輪金メダリストのロザ・モタ選手からは「だから疲れて優勝できなかったのよ」と言われましたが…(笑)。

スタート前に体を冷やさない工夫を

 4つ目は「体を冷やさない」ことです。これは冬場のレースや雨天・強風でのレースに言えることですが、レッグウォーマーやアームウォーマーのような取り外しが可能な防寒アイテムを使って、体の末端を冷やさないようにしたり、雨の確率が高ければ事前に防水スプレーをウエアにかけておいたりしましょう。特に3月、4月のレースは寒暖の差が激しくなりがち。取り外しができる防寒アイテムは体温調節ができるのでぜひご活用ください。

 ウォーミングアップ後は、肘や肩、膝裏などの関節にオリーブオイルを塗っておくと、体温保護の役割を果たし、ケガの予防にもつながります。

 また、防寒・雨天時の対策としてビニールを被っている人がいますが、ウォーミングアップで汗をかいたまま通気性のないビニールを被ると、中で蒸れて急激に体が冷えてしまいます。汗をかいたらウエアを着替えてからビニールを被るなど、なるべく体を冷やさないように心がけてください。

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