立春を過ぎてもまだまだ寒い日々が続きますが、皆さんいかがお過ごしでしょうか。ケガをしやすい時期ですから、防寒グッズを活用し、準備運動やストレッチをしっかり行いましょう。また、路面が凍結している日は無理して走ろうとせず、体幹を鍛える補強トレーニングに変更するなど、臨機応変に取り組んでくださいね。
さて、今回のお題は「日本のランニングブームの曲がり角について」。少し前から、「日本のマラソン人気に陰り」「ランニングブームは去った」といった声が聞かれるようになりました。今日はこのことについて少し考えてみたいと思います。

東京マラソンがブームに火をつけ、大会も急増
皆さんもご存じの通り、東京マラソンが始まった2007年ごろからこの10年間で、首都圏を中心に大きなランニングブームが起こりました。皇居周辺の歩道はランナーで賑わい、ランニング人口は1000万人を超えるといわれた時期もありました。今年2月25日に開催を控えた「東京マラソン2018」の抽選倍率(マラソン一般の部)は、実に12倍を超え、参加費が1万円以上もするフルマラソンに何十万人ものランナーがエントリーする時代になりました。
全国の自治体も、このランニングブームにあやかり、観光客誘致の一環や地方活性化、あるいは住民同士の交流の機会になればとの思いから、次々とマラソン大会を開催するようになりました。ランナーのためのポータルサイト「ランネット」を運営するランナーズホールディングス(東京都渋谷区)によれば、2016年度に開催された国内のフルマラソン大会の数は79。東京マラソンが始まった2006年度の50大会から、11年間で29大会も増えていることになります。マラソンシーズンともなると、全国各地のどの大会に申し込もうか、迷ってしまう方も多いと思います。
そんな中、いくつかのマラソン大会では異変が生じ始めているようです。昨年、日本経済新聞に掲載された記事(2017年2月13日付「ランナー置き去り 市民マラソン、バブル崩壊」)は、全国各地のマラソン大会で、「参加人数の低迷により開催を中止」「運営上の混乱でランナーから苦情が殺到」などの“異変”が相次ぎ、「供給過剰のひずみ」が出始めていると報じています。
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- 大会は増えているのにランナーは減っている