日本経済新聞 関連サイト

ようこそ ゲスト様

日経 Gooday

ホーム  > スポーツ・エクササイズ  > 有森裕子の「Coolランニング」  > 有森裕子 ランニングブームの「曲がり角」を考える  > 2ページ
印刷

有森裕子の「Coolランニング」

有森裕子 ランニングブームの「曲がり角」を考える

大会の運営体制やスター選手育成戦略の見直しを

 有森裕子=元マラソンランナー

大会の数は増えているのに、ランナーの数は減っている

 この「ひずみ」の背景の1つに、ランナーの減少があるのは確かなようです。笹川スポーツ財団(東京都港区)が1年おきに実施している調査によると、年に1回以上ランニングをする「ランニング人口」の推計は、2012年の1009万人が最も多く、以降の2014年は986万人、2016年は893万人と右肩下がりの傾向を示しています。その理由として、前出の記事では「コアなランナーはいるが、あまり熱心でなかったランナーが離れ始めた」と解説されていました。

図1 日本のランニング人口の推移
年1回以上ジョギング・ランニングを行う人の割合から推計。出典:笹川スポーツ財団「スポーツライフに関する調査報告書」(1998~2016)
[画像のクリックで拡大表示]

 確かに、走ることが本当に好きだったり、走ることで自身の成長や体力向上が実感できたりすれば、ランニングはその人のライフスタイルの一部となっていきます。しかし、短期間で劇的な変化を求める人や、何回もレースに挑戦したけれど結果が出ない人、あるいはマンネリ化して目的を見失ってしまった人などは、自然とランニングから離れていくでしょう。これはランニングに限ったことではなく、ブームには必ずピークがあり、いつかは下降に転じることになるのは宿命だと思います。

 マラソン大会の数は急増したのに、肝心のランナーの数は減っている。こうなると、当然ながら淘汰される大会も出てきます。景観が素晴らしく、好タイムが期待できるといった、市民ランナーにとって際立った魅力があれば話は別ですが、毎回同じ催し物や、代わり映えのしない風景を見ながら走るコースでは飽きてしまいますし、「参加者の数に対して給食が十分に用意されていない」「更衣室のスペースが足りない」「誘導のミスで大きな混乱が生じた」など、運営側の不手際や準備不足があると、次回も高い参加費を払って走ろうという気持ちが薄れてしまうでしょう。

ランナー減少の一因に参加費の高騰も?

 大会参加費の高騰も、参加者が減少する一因になっているように思います。コース上に観光名所が多く景観も楽しめる大会なら、参加費が1万円を超えても参加したいと思うランナーが多いのもうなずけます。その一方で、大きな特色のない地方のマラソン大会も、軒並み参加費が高くなっています。そうなると、より魅力のある大会へと参加者が流れてしまっても不思議はありません。

 マラソン大会で多くの人を呼び込み、地元を盛り上げたい自治体側の気持ちも分かりますが、少子高齢化が進む今、このまま大会を増やしても、参加人数が大きく増えることはないように思います。であれば、安全・快適なレースができるよう既存の大会の運営体制をしっかり整え、ランナーを飽きさせない工夫をすることはもちろんのこと、世界で戦えるスター選手を育ててマラソンそのものの注目度や人気を高めることに注力した方がいいのではないかと私は思います。

RELATED ARTICLES関連する記事

スポーツ・エクササイズカテゴリの記事

カテゴリ記事をもっと見る

FEATURES of THEMEテーマ別特集

  • 「胃がん」撃退のため知っておきたい最新情報

    これまで多くの人の命を奪い、「死の病」であった胃がんが、「ピロリ菌」除菌の登場によって未然に防ぐことができる病気になってきた。また、万が一胃がんになってしまった場合も、胃カメラによる検診を定期的に受けていれば、超早期の段階で見つけて治療し、胃の機能をほとんど損ねることなく日常生活に戻ることができる。本特集では、近年死亡率が大きく減少している胃がんの最新事情をまとめる。

  • 寝ても取れない疲れを取るには?

    「疲労大国」といわれる日本。「頑張って仕事をすれば、ある程度疲れるのは当たり前」「休む間もないほど忙しいが、やりがいがあるから、さほど疲れは感じない」などと思っている人も多いかもしれない。だが、睡眠時間を削るような働き方を続けていると、知らぬうちに疲れはたまる。結果、「寝てもなかなか疲れがとれない」という状態に陥るばかりか、免疫力の低下や、生活習慣病の発症につながることは多くの研究で知られている。疲労の正体から、疲労回復の実践的な方法までをまとめた。

  • つらい筋トレ不要? 効率的に「お腹を凹ませる」トレーニング

    薄着の季節になると、何かと気になる“お腹ぽっこり”。短期間で何とか解消したい!と思う人は多いだろう。しかし、スポーツジムでしっかり運動するのはつらいし、運動する時間を確保するのも大変だ。そこで、今回のテーマ別特集では、手軽に実践できる「ドローイン」と「猫背姿勢の改善」で“ぽっこりお腹”を解消していこう。

テーマ別特集をもっと見る

スポーツ・エクササイズSPORTS

記事一覧をもっと見る

ダイエット・食生活DIETARY HABITS

記事一覧をもっと見る

からだケアBODY CARE

記事一覧をもっと見る

医療・予防MEDICAL CARE

記事一覧をもっと見る

「日経Goodayマイドクター会員(有料)」に会員登録すると...

  • 1オリジナルの鍵つき記事鍵つき記事がすべて読める!
  • 2医療専門家に電話相談できる!(24時間365日)
  • 3信頼できる名医の受診をサポート!※連続して180日以上ご利用の方限定

お知らせINFORMATION

SNS

日経グッデイをフォローして、
最新情報をチェック!

RSS

人気記事ランキングRANKING

  • 現在
  • 週間
  • 月間

NIKKEICopyright © 2018 Nikkei Inc. All rights reserved.