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有森裕子の「Coolランニング」

有森裕子 「入りを抑えること」でマラソンのタイムは縮まる

「おかやまマラソン2018」で今さらながら気づいたこと

 有森裕子=元マラソンランナー

スタート直後のペースを抑えて走ってみたら…

 実は最近、そんな風にスタート直後は焦らずゆっくり走ればいいんだと実感したことがありました。それは、2018年11月に開催された「おかやまマラソン2018」を走ったときのエピソードです。

 この連載でたびたび話題にしてきたように、年1回、この地元の大会だけはフルマラソンを走る私ですが、今回は今まで以上に忙しく、筋力を落とさないように階段の上り下りをやったり、1度だけ大島で30kmを走ったりしたぐらいで、トレーニングする時間がほとんどありませんでした。

 「フルマラソンを走る前にしっかりした準備を!」と常々この連載で皆さんに話しているのにお恥ずかしい限りですが、正直なところ、今回ばかりは「ゴールできるかしら」「足裏を痛めるかも…」と不安を抱えたまま臨むことになりました。

 ところが、蓋を開けてみると、前年(5時間9分)よりも10分速い4時間58分で完走。前年同様、運営側のスケジュールの関係で、5時間台でゴールするという約束を意識した上でのタイムでしたが、それでもリタイアせず、参加者のみなさんと交流を図りながら前年より10分も早くゴールできたのは、私にとって驚きでした。

 前年の走りと何が違ったかというと、それはスタート直後のペースです。実は、今回は毎年出場してくださっているストライプインターナショナル社長の石川康晴さんと一緒にスタートすることになり、彼のペースに合わせて途中まで走ることにしました。いつもならスタート後は1km5分ぐらいのペースで走っていきますが、今回は2km先の地点でインタビューを受けることになっていたので、そこまでは石川さんに併走し、1km6~7分のペースでゆっくりと走ってきました。そんないつもより抑えたペースが良かったようで、後半大きくペースを落とすこともなく、昨年より楽にゴールまでたどり着けることができたのです。

 ペース配分を最後まで保つためには、入りを抑えることが大切なんだと改めて学びましたね。「五輪メダリストが今さら何を言っているんだ」と思う方もいるかもしれませんが(笑)。

持ちタイムより少し遅めのランナーのペースに合わせるのがお勧め

 とはいえ、今回は伴走者のおかげでペースを抑えることができたという側面もあります。自分ひとりで走りながら意識的に前半のペースを抑えることは難しかっただろう、というのが実感です。ですから、最初を飛ばしすぎて後半極端にペースが落ちる傾向がある人は、自分の持ちタイムより少し遅めのランナーが多い位置からスタートするのがいいかもしれません。すると、周りのランナーに合わせて少し自分のペースも抑えながらスタートでき、最後まで一定のペースを保ちやすくなると思います。

 後半ペースが乱れやすい人は、どのペースで走れば最後まで一定のペースで走れるのかを知ることが大事だと思います。この連載でも常々お話ししていますが、ベストタイム更新を狙う大会は年1、2本に絞り、そのほかの大会は、自分が最後まで一定の速さで走れるペースを探る練習に当ててもいいでしょう。それが分かれば、前半を抑えることへの不安も軽減されるはずです。ぜひ、自分のペースを知る練習を心掛けてみてください。

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