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有森裕子の「Coolランニング」

有森裕子 「入りを抑えること」でマラソンのタイムは縮まる

「おかやまマラソン2018」で今さらながら気づいたこと

 有森裕子=元マラソンランナー

 暦の上では立春を迎えましたが、依然寒さ厳しく、春を実感できるのはまだ先のようです。インフルエンザもまだまだ流行っていますし、体を冷やさないよう温かい格好をして、体調管理に努めたいですね。

集団の中で転倒しないためには?

 さて、今年も年明けから、ニューイヤー駅伝、箱根駅伝、大阪国際女子マラソンと、駅伝やマラソンの大きな大会が目白押しでしたね。東海大学が悲願の総合優勝を果たした箱根駅伝は見どころ満載でしたが、1区でのアクシデントが記憶に残っている人も多いかと思います。

 1区では、スタート直後わずか1分ほどで、大集団の中を走っていた大東文化大学の選手が他の大学の選手と接触して転倒。そのときに捻った左足を引きずりながら、約21kmを完走して次の走者にタスキを渡しました。

 この光景を見て、2018年10月のプリンセス駅伝でケガをした女子選手が、四つんばいになってタスキをつないだアクシデントを連想した人もいたかもしれません(関連記事「女子駅伝「四つんばい」は美談ではない」)。

 スタート直後など、集団の中で走るときは、市民ランナーも気をつけなければいけません。特にベストタイムの更新を狙っているランナーは、スタート直後から早く自分のペースを作ろうとして、他のランナーと接触することがあります。歩幅やリズムは一人ひとり違いますから、周りを無視した走りをしたり、逆に集団のスピードに合わせようと他のランナーに近づきすぎたりして、足を踏む・踏まれるなどの接触事故が起こる可能性が高くなるのです。

スタート直後は無理に前に出ようとすると危険です。(C)anoyo-123RF

 もし集団の中から抜け出したいのであれば、歩幅を狭くして小走りで選手の合間をすり抜けていく方法もあります。私自身、1995年にアトランタ五輪の代表選考会を兼ねた北海道マラソンに出場したときは、男性選手の集団からのスタートでした。小走りで男性選手の合間をうまく抜けながら前に出て行き、自分のペースをできるだけ早く作った覚えがあります。

 とはいえ、市民ランナーは、そんなリスクを取る必要はありません。大きな大会になるほど、先頭ランナー以外は最初の5kmぐらいは集団で走る場合が多く、どんなに焦ってもなかなか思うように抜け出せないものです。

 私がゲストとして参加するマラソン大会でも、スタート直後に無理に前に出ようとするランナーを見かけることが多く、その度に危ないなと思います。焦る気持ちは分かりますが、転倒して捻挫でもしたら本末転倒です。

 集団の中からスタートする時は、無理してすぐに自分のペースを作ろうと思わないこと。すぐに自分の歩幅で走ろうとしないでください。自分の周りが少しバラけて空間に余裕ができるまで待ってから、自分のペースで走りましょう。周りの選手の足元を見るぐらいの余裕を持って、安全第一に走ることが、完走するための得策だと思います。

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