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尿路結石

自覚症状のない尿路結石にどう対処するか

痛みがなくても泌尿器科に通院し、適切な管理を

 聞き手:稲垣麻里子=医療ジャーナリスト

 尿路結石は尿の通り道に結石ができてさまざまな支障を来す、代謝障害の一つ。その95%が上部尿路結石(腎臓、尿管)で、石が下に降りてくると下部尿路結石(膀胱、尿道、前立腺)となるが、初めから下部尿路結石として形成されるものも一部ある。患者数は50年前の約3倍に急増し、生涯罹患率(年間罹患率×平均寿命×100)は10人に1人と決して珍しい病気ではない。
 結石というと激痛をイメージするが、画像診断技術の向上で痛みがなくても見つかることも多い。できてしまった結石はどうすればいいのか、30年以上にわたって尿路結石の研究・診療を行っている、杏林大学医学部付属病院泌尿器科教授の奴田原(ぬたはら)紀久雄医師に聞いた。尿路結石の第2回は「衝撃波や内視鏡で尿路結石を外科的に治す」で8月28日公開、第3回は「生活改善と薬物療法で尿路結石の再発を防ぐ」で9月1日公開予定。

回答者
奴田原紀久雄医師
杏林大学医学部付属病院 泌尿器科 教授

Q 人間ドックで腎臓に5mmの結石が見つかりました。今のところ自覚症状はなく、痛みもまったくないのですが、このまま放置しておくと、いつか激痛が起こるのでしょうか。(42歳・男性)

A 腎臓にできた結石(腎結石)は痛みがないことも多いため、全く自覚症状がないのに人間ドックや他の病気の検査で偶然発見されることがよくあります。大きくなってしまうと、腎臓の機能に障害を与えることもあるので、大きさや位置に変化がないかを経過観察する必要があります。
 尿が作られてから体外に排泄されるまでのおしっこの通り道(腎臓→尿管→膀胱→尿道)のことを尿路と呼び、そのどこかに結石があると尿路結石と呼ばれます。通常、結石の長径が10mm以下の尿管結石の場合は、尿と一緒に尿道から出る可能性が高いため、水分を多めに取り、石の下降を促進する薬や鎮痛薬を使用しながら排石を促します。
 ご相談者のような、感染と閉塞を伴わない長径5mm以下の腎結石では、経過観察になることが多いです。衝撃波で結石を砕くESWL(体外衝撃波結石破砕術)では体外で発生させた衝撃波の焦点が合いにくいため治療効果が芳しくなく、また内視鏡治療を行うには侵襲が多すぎることより、職業がパイロットであるといった社会的適応(*1)がない場合には、結石の大きさや位置の変化を経過観察していきます。結石が動いて何らかの症状が出れば、医学的な治療適応が生じます。尿管に落ちてくれば速やかに排石できるように、また疼痛を緩和するために薬物療法を行い、飲水、運動によって排石を促すようにします。

(*1)社会的適応:手術などの医療行為を受けることが、社会人としての生活を送る上で必要であるとみなされる状態。医学的には必須あるいは妥当ではない(医学的適応がない)場合でも、社会的適応があれば、特定の医療行為が行われる場合がある。

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