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食べた油は体のなかでどうなる? 余った油は体脂肪になる?

 北村昌陽=科学・医療ジャーナリスト

油は実はとても働き者。エネルギー源として燃えるだけではありません。細胞膜の素材になって臓器の働きを支えたり、ホルモンのように情報を伝える仕事もしています。今回は、あまり知られていない、働く「油」と「脂肪」の素顔をお伝えします。

食べた油は全身を巡る、中鎖脂肪酸はすぐ燃える

 相性が悪いものの組み合わせを「水と油」と呼ぶのは、水と油が溶け合いにくいからだ。ドレッシングの瓶をよく振っても、すぐ2層に分離してしまうあの現象が、水と油の溶けにくさを示す典型といえる。

 食事に含まれる脂肪も、油の一種。「水に溶けにくい」という性質のため、腸が脂肪を吸収するプロセスは、それ以外の成分の吸収よりも難しくなる。というのも、体重の6~7割を水が占める私たちの体においては成分を水に溶かして運ぶのが物質輸送の基本。実際、胃腸の中で消化を受けた糖質やアミノ酸(たんぱく質の分解物)は、水に溶けた状態で腸から門脈へ吸収され、肝臓へ流れ込む。水に溶けるから、とてもシンプルなやり方で、体内に入れるのだ。

 脂肪の吸収は、これと全く違うルートを使う。細かく分解された脂肪の分子はまず腸粘膜の細胞内に入り、そこで特殊なたんぱく質分子と結合、「カイロミクロン」という巨大な複合体分子を作る。これはたんぱく質が脂肪を包み込むような構造で、水に溶けることが可能だ。

脂肪の吸収ルートはほかの栄養とは別、リンパ管ルートで全身に
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 腸から吸収された食べ物は、門脈という血管を通って肝臓へ流れ込む、というのが体の基本戦略。だが脂肪だけは例外だ。門脈ではなくリンパ管に流れ込み、心臓を経て全身に拡散する。脂肪という水に溶けない成分を取り込むための苦肉の策といえるかもしれない。

 だが今度は分子のサイズが大きくなりすぎて、毛細血管に染み込めない。そこでカイロミクロンは、血管ではなくリンパ管へ流れ込む。リンパ管の端は、トンネルの入り口のように腸の傍でパックリと口を開けており、巨大分子でも入れるのだ。

 カイロミクロンが流れ込んだリンパ管は体の上部へ向かい、鎖骨のあたりで血管(静脈)に合流する。ここまで来れば一安心。あとは血流に乗って流れるだけで、全身へ届く。これが、脂肪の吸収ルートである。

 ただし、例外がある。「脂肪の中でも分子が比較的小さな『中鎖脂肪酸』は、水に溶けやすい。そのため、糖質などと同じように、門脈から肝臓へ流れ込むルートで吸収される」(東北大学大学院農学研究科の池田郁男教授)。

 そして、複雑なルートを経て全身へ送り出される通常の脂肪(こちらは「長鎖脂肪酸」と呼ばれる)が、送られた先で体脂肪として身に付きやすいのに対して、まず肝臓へ流れ込む中鎖脂肪酸は、肝臓がすぐに代謝をするため体脂肪になりにくいと考えられている。だから、中鎖脂肪酸を多く含むココナツオイルが、ダイエットオイルとして注目されているわけだ。

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