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腎臓からの危険信号を見逃すな!

「尿たんぱく」と「クレアチニン」は必ずチェック!

第2回 腎機能の検査値を理解して、「いきなり透析」を回避しよう

 塚越小枝子=フリーライター

24時間休むことなく、全身の血液をろ過して老廃物を排出し、体内環境を整えている腎臓。一度機能が失われると元に戻らないうえ、自覚症状が乏しいためにケアを怠りがちだ。特集の第2回は、腎臓からの唯一のサインともいえる検査値が意味することを、地域医療機能推進機構東京高輪病院院長の木村健二郎さんに解説してもらった。「尿たんぱく」と「血清クレアチニン」。まずはこの2つの検査値の重要性を頭にたたき込んでほしい。

本特集の内容
第1回 腎臓の働きと慢性腎臓病(CKD)
腎機能の低下は生命の危機、症状が出てからでは遅い

第2回 腎機能の検査値を正しく理解しよう
「尿たんぱく」と「クレアチニン」は必ずチェック!

第3回 慢性腎臓病の治療と予防
残された腎機能を“長持ちさせる”ことはできる

重要な指標は「尿たんぱく」と「血清クレアチニン」の2つ

 「健康診断で腎臓の状態を知るために重要な指標は、尿たんぱくと血清クレアチニンの2つです」。地域医療機能推進機構東京高輪病院院長の木村健二郎さんはそう話す。慢性腎臓病(CKD)の診断と重症度の判定は、これらの検査値に基づいて行われる。

 第1回(「腎機能の低下は生命の危機、症状が出てからでは遅い」)でも説明したように、慢性腎臓病ではおおざっぱに言って次の2つのことが起こっている。「腎臓の傷害(血液のフィルターの役割を果たす糸球体が傷ついている)」と「働きの低下(糸球体のろ過量が低下している)」だ。

 このうち、糸球体が傷ついているかどうかが分かるのが、尿検査の「尿たんぱく」の項目。これが陽性(+)になるということは、糸球体が傷ついた結果、尿の中に本来漏れ出してはいけないたんぱくが漏れ出していることを意味する。

健診の尿たんぱく検査は目視で判定する。(©Alexander Raths-123rf)

 健診での尿たんぱく検査は、試験紙を尿に浸して、色調の変化から陰性(-)か陽性(+)~(3+以上)かを目視で判定する方法が一般的。色の変化が微妙な場合は、疑陽性(±)の判定となる(*1)。尿たんぱく陽性の状態が3カ月間続けば、慢性腎臓病と診断される。

 尿たんぱくは陽性の度合いが大きいほど、腎臓の傷害の程度が大きいことが疑われ、その後の17 年間に透析導入となる割合は、(3+)以上の人で16%、(2+)の人で約7%という報告もある(*2)。それと同時に、心筋梗塞や脳卒中を発症するリスクも高まる第1回参照)。

 一方、腎臓の働きの低下は、血液検査の血清クレアチニンの値が上昇することで分かる。

 「クレアチニンは、筋肉でつくられる体内老廃物の1つです。腎臓でのろ過量が低下すると、血液中のクレアチニン濃度が上がってきます」(木村さん)

 慢性腎臓病の診断では、この血清クレアチニンの値を特定の計算式に当てはめ、「推算糸球体ろ過量(eGFR)」という値を求める。腎臓は1分間におよそ100mLの血液をろ過していると第1回で紹介したが、eGFRとは、その糸球体ろ過量がどの程度保たれているかを示す指標だ。腎機能が正常の場合、eGFRは100(mL/分/1.73m2)になる。eGFRが60(mL/分/1.73m2未満の場合、腎機能が正常の60%未満に落ちていることを意味する。その状態が3カ月以上続けば、やはり慢性腎臓病と診断される。

慢性腎臓病(CKD;Chronic Kidney Disease)とは
  1. 腎臓の働きが正常の60%未満に低下している(eGFRが60mL/分/1.73m2未満)
  2. 腎臓に明らかな障害(傷害)がある(尿たんぱく、血尿が見られる)

1、2のどちらかあるいは両方が3カ月以上続くと慢性腎臓病と診断される。

 もし自分の健診結果にeGFRの値が記載されていなくても、心配はいらない。血清クレアチニン値と年齢、性別を入力すればeGFRを自動的に算出できるWebサイトがあるので(例:日本慢性腎臓病対策協議会ホームページ)、自分のeGFRを求めてみよう。あなたのeGFRはいくつになっただろうか? 60を切っていたら危険信号だ。

*1 疑陰性または弱陽性と呼ばれることもある。
*2 Iseki K, et al. Kidney Int. 2003;63:1468-1474.

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