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「クラッシャー上司」にならないために… 心を育てる瞑想法を

他者に対する怒りの根っこに気づくには?

 

(©A. Singkham-123rf)

 マインドフルネス(mindfulness)という言葉は、原始仏教の経典にあるパーリ語の「サティ(sati)」という言葉の英訳です。そしてサティとは2500年前にブッダが説いた「八正道」という理論の中の「正念」のことです。

 「八正道」は一言でいうと「人生の苦を滅して心安らかに生きる方法」です。ブッダは「自らの欲・怒り・執着に気づいて手放していくこと」が人生の苦を滅する、そして「慈しみの心を育てること」によって心安らかに生きることができると説きました。

 マインドフルネスの語源である「正念」は、「正しく気づくこと」という意味です。「瞑想によって、自分の心をありのままに見なさい」「そして欲や怒り、執着などにとらわれてしまった己の心に気づきなさい」「気づくことでそれらを少しずつ手放していくことができます」とブッダは説きました。この「今の自分の心に対する適切な気づきを得る」ための心のトレーニング法として、ブッダが創造した方法がマインドフルネス瞑想なのです。

 この瞑想法が欧米のスピリチュアリティー文化の発展とともにアメリカやイギリスで広まり、医療での心理療法やビジネス領域での能力開発法にアレンジされて現在に至るのですが、欧米流のやり方は宗教色が排除されており、本来のブッダの説いた「心を育てる」教えが抜け落ちてしまっています。

 私自身は、日本人は無宗教派が多いといわれながらも、人口の91.5%が仏式で葬式を行っているという事実(日本消費者協会「葬儀についてのアンケート調査2014年」)や、華道や茶道といった仏教文化の影響を強く受けている国民性から、欧米流のマインドフルネス瞑想のようにブッダの教えを過度に排除する必要はないと考えています。

 むしろ哲学・心理学としてブッダの教えを味わいつつ、マインドフルネス瞑想を行うことで、より慈愛の深い心を育てる効果が得られると思うため、著作やセミナーでは積極的にブッダの理論に触れながらマインドフルネス瞑想をご紹介しています。

 今回は、マインドフルネス瞑想の中から「ヴィパッサナー瞑想」という「心を観て育てる」タイプの瞑想法をご紹介します。

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