日本経済新聞 関連サイト

ようこそ ゲスト様

お知らせ

からだケア

胃がん・胃潰瘍、驚きの“新常識”

ピロリ菌検査の落とし穴! 除菌後も放置は危険

確実に検査・除菌するにはどうすればいいか

 二村高史=フリーライター

 ここ数年で「胃」を取り巻く病気の常識が根底から覆されている。これまで多くの人の命を奪い、「死の病」であった胃がんが、未然に防ぐことのできる「感染症」に変わりつつある。そのキーワードは「ピロリ菌」だ。
 これまでも繰り返し説明したように、ピロリ菌を除菌することで胃がん発症のリスクは下げられる。さらに、慢性胃炎が改善して胃潰瘍もほとんど再発しなくなるという。まさにいいことずくめだ。最終回となる今回は、国内のピロリ菌研究では中心的な存在である国立国際医療研究センター理事・国府台病院長の上村直実先生に、ピロリ菌の検査と除菌の方法について聞いていく。

若いうちの除菌は効果大、中高年でもリスクは下がる

ピロリ菌こそ、胃がん・胃潰瘍の元凶だ。胃の中で飼っておいていいことはない。(©royaltystockphoto- 123rf)
[画像のクリックで拡大表示]

 ピロリ菌(ヘリコバクター・ピロリ)は胃がん、胃潰瘍などの発症を促すとても怖い存在だ。ピロリ菌を胃の中で飼っておいていいことはない。

 ピロリ菌の除菌は胃潰瘍や胃がんのリスクを下げるだけでなく、さまざまなメリットがあることから、日本ヘリコバクター学会では、すべてのピロリ菌感染者に除菌治療を推奨していることは前回紹介した通りだ。

 

 ピロリ菌感染者は減少傾向にあるとはいえ、50代以上の感染率はまだまだ高く、60代を超えると50%以上だ。まずは、自分がピロリ菌を保有しているかどうかを、ピロリ菌検査で調べ、感染していることがわかったら、いち早く除菌することが肝要だ。

 上村先生によると、若いうちに除菌したほうが効果が上がるという。「20歳の若い胃の状態でピロリ菌を除去すれば、生まれつきピロリ菌がいない人と同様に、胃がんのリスクはほぼゼロに近くなります。年齢を重ねて老化した胃の場合は、除菌しても胃がんのリスクは多少残ります。それでも、胃がんの進行は遅くなる可能性が高いので、除菌することを強く勧めます。感染率がいまだに高い50~60代の中高年なら、積極的に検査・除菌してください」と上村先生は話す。

 なお、上村先生によると、高齢者の場合は無理に除菌する必要がないケースもあるという。「80代以上の高齢者で胃がんを心配している方の場合、胃粘膜の萎縮(老化)(*1)が高度に進んでいるケースでは、除菌することより、5年に1回程度、精度の高い内視鏡検査を受けられることをお勧めします」(上村先生)

*1 胃酸を分泌する胃腺が縮小していき、胃の粘膜がうすくなっている状態。ピロリ菌に感染すると胃粘膜の萎縮を進行させる。

慢性胃炎に対する除菌治療も保険適用に

 また、ピロリ菌の除菌治療に対する保険適用対象が拡大されたことは第1回でも少し紹介した。これから検査を実施して、陽性だったら除菌する必要がある、という人にとっては、どこまでが保険適用になるかも気になるところだろう。

 「従来、ピロリ菌除菌治療の保険適用は、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、胃MALTリンパ腫、特発性血小板減少性紫斑病、早期胃がんを内視鏡で切除した場合が対象でした。2013年2月には、これらに加えてピロリ菌に感染した慢性胃炎に対する除菌治療も保険診療で受けられるようになりました」(上村先生)

 つまり、胃の痛みなどが慢性的に続いて医療機関にかかり、内視鏡検査により慢性胃炎と診断を受けた人などは、ピロリ菌検査が陽性であれば除菌治療に保険が適用されるわけだ。実際、2013年の適用拡大による影響は大きく、除菌する人がそれ以前の2~3倍に増えたという。

続きは日経Goodayマイドクター会員(有料)に登録するとすぐご覧いただけます。

期間限定 日経Gooday マイドクター 登録月プラス1カ月無料キャンペーン 2017年9月1日~10月31日

SNSで最新記事をチェック

RSS

最新記事を週2回お届け!

日経IDがあれば簡単30秒で登録できます。

体の不調・病気が気になる場合は…

病気の予防・治療などの限定記事が読めます。医師などの専門家に相談できます。

アクセスランキング

PR

有料会員限定記事ランキング(現在)

病気/サプリなどを調べる

デイリーコンテンツ

明日は変えられる。 提供:アステラス製薬

“男”の健康維持

このサイトについて

日本経済新聞社について