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胃がん・胃潰瘍、驚きの“新常識”

ここ数年で根底からひっくり返った「胃の常識」

「死の病」であった胃がんが、予防可能な「感染症」に

 二村高史=フリーライター

 ここ数年で「胃」を取り巻く病気の常識が根底から覆されている。これまで多くの人の命を奪い、「死の病」であった胃がんが、未然に防ぐことのできる「感染症」に変わりつつある。そのキーワードは「ピロリ菌」だ。
 驚くべきことに、胃がんの原因の99%はピロリ菌だという。2013年にピロリ菌除菌の保険適用が広がった後、胃がんによる死亡者は減少のペースが早まった。胃の健康を保つには、何よりもまずピロリ菌対策をするのが非常に重要だ。本特集では、そうした胃の病気に関する新事情をお伝えしていく。

胃がんによる死亡者数が目に見えて減ってきた理由

 かつて、胃がんは日本人にとって「死の病」であった。著名人で胃がんで亡くなった方は数多くいるし、昔のテレビドラマなどでも死の病の定番は“胃がん”だった。

 実際、がんの部位別罹患数は、長らくトップの座を維持し、現在でも罹患率は大腸がん、肺がんと並んでトップグループにある。

がん罹患者数の予測(2016年)
国立がん研究センターが2016年7月に発表したがん統計予測データ。大腸、胃、肺が罹患数でトップ3となっている。2014年の予測値では胃がトップだった
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 胃がんの死亡数も1970年代からずっと5万人前後で推移し、1990年代に肺がんに抜かれるまで、群を抜いていた。治療技術が進んだとはいえ、ミドル以上の年齢層の人にとっては、今でも最も身近ながんで、恐ろしい病気というイメージは変わらないだろう。

 ところが、ここ数年で状況が変わってきている。1970年代から30年以上変わらなかった胃がんによる死亡数が、2000年を過ぎたころから減少に転じ、2013年を過ぎるとさらに減少のペースが早まり、2015年の死亡者は4万6000人台までになった

胃がんの死亡者数の推移
胃がん死亡者数と国立がん研究センターによる胃がん予測死亡者数の推移。胃がんの死亡者数は2000年までの30年間は5万人程度でずっと横ばいだったが、2000年以降ゆるやかに減少している。そして、ここ1、2年は減少のペースが早まっている(人口動態統計表と国立がん研究センターの予測死亡者数から上村先生が作成)※がんセンターの2016年の予測死亡者数は、2016年7月に発表したデータ
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 なぜ、死の病だった胃がんの死亡者数が減っているのか。そのカギを握るのが、「ピロリ菌(ヘリコバクター・ピロリ)」だ。マスコミなどで報道されることも増えているので、名前をご存じの方も多いだろう。

 このピロリ菌の存在が医学界で大きく取り上げられるようになったのは、わずか30数年前のこと。その後の研究により、ピロリ菌こそ、胃がんの主たる原因であることがわかってきた。ピロリ菌を除菌すれば胃がんの罹患率は下がる。2013年には、保険診療でピロリ菌の除菌治療を受けられる対象が拡大されたことで、実際に除菌した人も増えた。その結果、胃がんによる死亡者数の減少という形でデータに現れるようになったのだ。

 また、胃潰瘍や胃炎についても、現在の医学界では、主な原因はピロリ菌であり、ピロリ菌を除菌すればほとんど再発することもないというのが常識になっているという。

 ここ数年の変化により、私たちの「胃の常識」は過去のものになろうとしている。当然、私たちの“胃との付き合い方”も変わってくる。今回の特集では、ピロリ菌の影響と対策を中心にした“胃の新常識”を、国立国際医療研究センター理事・国府台病院長の上村直実先生に伺っていく。

 初回となる今回は、胃の病気とピロリ菌の関係、胃の病気の勢力図の変化などについて聞いた。

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